From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

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関口猛さん

関口猛さん

 オンワードパーソナルスタイル代表取締役社長

text kentaro matsuo  photography tatsuya ozawa

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 オンワードパーソナルスタイル社長、関口猛さんのご登場です。関口さんが指揮する“カシヤマ ザ・スマートテーラー”は、画期的なオーダーメイド・システムとして、いま話題です。どのへんが、他と違うのでしょうか?

「採寸は、こちらから会社やご自宅へ伺います。2回目からはネット上で生地を選んで頂くだけで、ご注文が可能です。価格は3万円から。納期は最短1週間です。特殊な圧縮パックに入れてご自宅までお届けします。パックから出して、しばらく吊るしておくと、ちゃんとスーツの形になるのです」

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へぇ〜、スゴイですね! 開発には、さぞやご苦労があったことでしょう。

「実は、オンワードに存在していた、数々のシステムを組み合わせただけなのです。もともと弊社には訪問採寸の部隊がいて、年間に数万着もオーダーを取っていましたからね。こだわったのは1週間という納期で、週末にオーダーすれば、翌週末には届いて、月曜日から着ていける。『欲しい!』と思ったモチベーションが下がらないうちに商品が手に入るというのが大事かと。それから自社工場なので、自分たちですべてのクオリティをコントロールできるところも強みですね。物流も見直して、中間マージンを徹底的に抑えました。圧縮パックを採用したもの、その方が輸送費がかからないからです。“いいものを安く”を突き詰めたら、自然といまの形になったのです」

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本日お召しのスーツも、カシヤマ ザ・スマートテーラーでオーダーしたもの。

「自分でネットから注文したものです。商品のテストを兼ねて、自分だとバレないよう、別の名前を使ってオーダーしました。はい、自腹です(笑)」

 

 一枚仕立てのタイは、かつてオンワードがやっていたセビロ&コー。

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 シャツは、銀座・和光のオーダーメイド。

「研究のために買ったのですが、これがよく出来ているんですよ(笑)」

 

シューズは、エドワード・グリーン。

「今日は社内で大切なプレゼンがあったので、カタめの靴を履きました。基本的には、シンプルでアンダーステイトメントな装いを心がけています」

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95年にオンワードへ入社してからは、ずっとカルバン・クラインをご担当されていました。

「カルバン・クライン本社のあるニューヨークへは、年5、6回ほど行っていました。そこでの経験は、本当に勉強になりましたね。例えば、同じグレイでも、彼らは100種類くらいを使い分けているんです。青っぽいグレイ、赤っぽいグレイ、黄色っぽいグレイ・・。そして、そのすべてに名前が付いている。プラチナム、スチールグレイなどなど。それらのコーディネイトを、真剣に考えているんです。その影響で、いまだにトーン・オン・トーンのコーディネイトが多いですね」

 

さらに遡って学生時代には、ヨット、そしてボーイスカウト活動にいそしまれていました。

「ヨットでは突然の風に流されてしまい、死にかけたことが何度かあります。それからボーイスカウトの活動では、高校生の時に、食料をまったく持たずに無人島へ上陸し、1週間滞在したことがあります。蛇を捕まえて焼いてみましたが、縮んじゃって、とても食べられませんでした。それからビニールシートを使って、海水を蒸発させ、真水に変えることも試してみましたが、得られた水は、しょっぱくて、飲めたものではありませんでした。1週間後には、体重が12〜3キロ減っていました(笑)」

ボーイスカウトの活動って、もっとマイルドだと思っていました・・

 

関口さんは、根っからのアウトドアズ・マンで、何かに挑戦することが大好き。そのチャレンジ精神が、ザ・スマートテーラーにも生かされているようです。

「新しいテクノロジーは、どんどん取り入れていきたいですね。例えば、ゾゾ・スーツのように、自分で採寸ができるようなシステムも、ご提供していきたいです。どうか、ご期待下さい!」

 

オーダーメイドの新時代は、この方が切り拓いていくのでしょう。

 

カシヤマ ザ・スマートテーラー https://kashiyama1927.jp/

 

平塚雄三さん

平塚雄三さん

 弁護士

text kentaro matsuo  photography natsuko okada

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 さまざまなご職業の方が登場するのが、このブログの特徴でもありますが、今回は弁護士先生です。都内の法律事務所に所属なさっている、平塚雄三さんです。

弁護士というと、一般の方はあまり馴染みがなく、ちょっとカタそうで、近寄り難いイメージですよね?

「裁判長、異議あり!」みたいな。

しかし今回、平塚さんにお会いして、その印象が大分変わりました。

 

「古着が好きで、よく高円寺あたりをうろついています。もともと阿佐ヶ谷の出身で、大学が高田馬場でしたので、中央線沿線が落ち着くのです」

ウチのフジタに、似ていますね。

 

「予備自衛官として登録をしています。普段は弁護士をしていますが、危急の際には、戦場で戦います。格闘訓練や、実弾を使った射撃訓練も受けていますよ」

えええ、マジですか?

 

「趣味はトライアスロンです。10年前から始めて、一昨年からは、ホノルルで行われる大きな大会にも出場しています。バイク40km、スイム1.5km、ラン10kmと、なかなかタフですね」

すごい。私なら、途中で死んでいます・・

 

まぁ、ぱっと見、ここまでお洒落な弁護士先生がいるとは驚きでした。それには理由があって、実は平塚さんのファッションの師匠は、メンズ・ファッション界の大ボス、赤峰幸生さんなのです。知り合ってから、もう10年以上経つそうです。

 

「赤峰先生には、お洒落は“基本のき”が大切で、そこをしっかり学ぶことが肝要なのだ、と教わりました。それと男は外見だけ繕ってもだめで、中身が伴わないとダメだとも諭されました」

はい、私も同じことを言われています・・

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 スーツは、アカミネ ロイヤルラインで仕立てたもの。テーマは“裁判で勝てるスーツ”です。

「モヘヤ製で、折り目正しく見えるところがいいですね。『これなら、どこへ出ても恥ずかしくない』と言われて作ったものです。もう10年も着込んでいますが、ようやく体に馴染んできたように思えます」

やはり弁護士先生は、きちんとした格好をなさっていますね。

 

「クールビズの影響でしょうか、裁判所でも、カジュアルな格好の方を見受けることがあります。ジャケットにノータイ・・中にはスニーカーの方もいます。しかし、私は法廷では必ずスーツを着ます。職業としての歴史や、顧客からお預かりしている事件の重みに相応しくない格好はできないのです」

 

シャツも、アカミネ ロイヤルラインのもの。

「先達から教わった所作として、私は打ち合わせの際には、白いシャツしか着ません。これは真っさらな気持ちで、お客様の話を聞くという姿勢を表しているのです。われわれが扱っているのは、国内の身近な案件が多い。例えば、離婚や兄弟間の確執、お金の貸し借りのトラブルなどです。いわば人間社会の裏側を見る仕事なわけで、相手の方の本当の気持ちを聞き出すということが、とても大切なのです」

 

タイは、やはり赤峰さんから薦められたリベラーノ。

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 時計は父親から譲り受けた、グランドセイコー。レザー・ストラップは、友人が作ったものに交換してあります。

シューズはアレン・エドモンズのコードバン製。

 

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愛用の万年筆は、モンブラン。かつて日立造船の社長をなさっていたおじいさまの形見で“A LIFE DEVOTING TO SHIP BUILDING”(造船に捧げた生涯)とのメッセージが刻まれています。こういうものは、お金では買えませんね。

 

実は、平塚さんのひいおじいさまは、元・東京都知事、東龍太郎氏です。

「ダンディな人でした。いつも自宅の池の前で、シガーを燻らしていたのを覚えています。その匂いを嗅いだのが、大人の世界の入り口だったような気がします」

いまではシガーは、趣味のひとつだとか。

「私のスタイルの原点は、曽祖父にありますね」

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 なぜ、弁護士になったのですか? との問いには、

「弁護士が主人公のドラマを見て、かっこいいなぁと思ったのがきっかけです(笑)。私も正義の味方になりたい、と。しかし実際に弁護士になってわかったのは、弁護士は正義の味方ではなく“われわれを信頼してくれる人の味方”でなければならない、ということです。法廷では、何よりも勝たなければならない。日々是戦いです」

 

なるほど、この先生なら、何かあったとき、とても頼りになりそうです。できれば、顧客ではなく、友人としてお付き合いさせて頂きたいですが・・