From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

青柳慶史さん

Sunday, August 25th, 2019

青柳慶史さん

某英国ブランドMTMスペシャリスト

text kentaro matsuo photography natsuko okada

 MTM(メイド・トゥ・メジャー)のスペシャリスト、青柳慶史さんのご登場です。以前このコーナーにご登場頂いた、すごくお洒落な西村隆さんが「私よりずっとお洒落な人がいる」と推薦してくださったのが青柳さんです。

青柳さんはイタリアのメンズ・ブランド、エルメネジルド ゼニアにおいて、西村さんの先輩にあたります。ということは私の家内の先輩でもあります。この業界には本当にゼニア出身者が多いですね。愚妻はともかく、それぞれの時代において、輝いているブランドにはよい人材が集まるという好例です。

 

青柳さんは、1980年代後半はコムデギャルソンにお勤めでした。これまたDC時代を代表するブランドです。

「全身真っ黒な格好をしていました。DCブームの真っ只中だったので、よく売れましたね」

90年代初頭に、ゼニアに転職されました。

「他のスタッフと違う能力を身に付けなければと思い、MTMの勉強を始めました」

当時はかつて私の在籍していたメンズ・イーエックスが、クラシコブームを巻き起こし始めていた頃です。当時“一冊丸ごとゼニア特集”を担当したのを覚えています。デザイナーズからクラシックへ、時代が変化するのに合わせて、青柳さんも変化されたというわけです。

ジャケットとベストはダンヒルのMTM。ターンナップ・カフやスラントポケットなど、英国風の意匠が特徴です。

「英国のブランドでオーダーメイドを担当していますから、ディテールも英国の匂いを感じられるものを取り入れています」

ヘリンボーン模様で一見ツイード風ですが、素材はシルク100%です。

「シルクという素材が好きで、他にもいくつか持っています。独特のヒンヤリとしたタッチがいいのです」

上品な光沢感はシルクならではですが、ここまで自然にシルク素材を着こなされている方には初めてお会いしました。シルクって、実は地味な色柄が似合うのですね。

 

ラウンドカラーでターンナップ・カフを備えたシャツとブラック・タイ、チーフ、トラウザーズもすべてダンヒル。

 時計はもう20年も前に買ったパネライです。

「これはパネライが日本に入ってきたばかりの頃に買ったものです。一時期大きな時計が嫌になって、35〜38ミリの小さな時計ばかりしていましたが、ここ最近、また大きいものもいいかなと思っています」

 

ブレスレットとリングはアンティーク。

 

スリップオン・シューズはジョンロブで、ソックスはあえての白です。

「素足の人が多いですが、今回はライトグレイのパンツに似合い、爽やかに見えるようソックスは白にしました」

この感じ、私もぜひマネしたいと思いました。

 

ファッションのポリシーを伺うと、

「王道ではなく、しかし大ハズレしないように」とのお言葉。

「グレイのヘリンボーンだとブルー系のタイやシャツを合わせがちですが、今回はピンク系のシャツに黒いタイをしてみました」

なるほど、日本では冠婚葬祭のイメージが強い黒タイですが、ピンクと合わせると実に洒落た雰囲気です。

 ファッションが大好きで、今でもよくショップ巡りをするという青柳さんですが、もうひとつ大好きなものがあります。それは愛車ポルシェ911を運転すること。

「ポルシェには10年ほど乗っています。“走る・曲がる・止まる”というクルマとしての基本が、実によく出来ています。たまに他のクルマのハンドルを握ると、反応が遅くて逆にびっくりします。それにぜんぜん壊れない。毎日フツウに使えるスポーツカーです。いまだに休みの日には、箱根へ走りに行ったりしますよ・・」

 

ポルシェ愛を語りだすと止まらなくなるようで、これ以外にもいろいろとお聞きしたのですが、その後、「あんまりポルシェのことばかり書かないでくださいね。洋服屋ですから(笑)」と仰られたので、このへんで止めておくことに致します。

 

 

 

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