Monday, December 16th, 2019

NEO TRADITIONAL GAZATTEER|RAKISH TOKYO GUIDE vol.6

VICK TAILOR
ヴィックテーラー
日本らしい美しさを追求した柔軟性も魅力のテーラー

東京で修業したからこその柔軟性に長けたスタイルで
高い評価を得ているのが、近藤卓也氏のヴィックテーラーだ。
photography yasutoshi sawano text yuko fujita

スリーブラインと、ラペルから裾に向かって描かれた弧の美しさが際立っている。肩幅をやや広くとってグラマラスなスタイルに見せつつ、シャープなラインとふくよかな丸みが溶け合った、近藤氏らしい仕立ての1着だ。スーツのビスポークは¥350,000~、ジャケット¥250,000~、トラウザーズ¥100,000~。仮縫いを含めて納期は約6カ月~。

 2003年に独立してヴィックテーラーを開いた近藤卓也氏。10代後半で30sの世界に魅せられ、ケーリー・グラントやフレッド・アステアに憧れていた時期があったという。工房の棚には洋書や洋雑誌がズラリと並び、“好き”がヒシヒシと伝わってくる。92年から壹番館洋服店、99年から髙橋洋服店で修業を積む中で、30sへの憧れはスーッと消え、今の時代に合った服へと傾倒していったという。

 今は英国とイタリアのスーツのどちらかいっぽうに傾倒しているというわけでもない。そう話す近藤氏の服には、確かにそれぞれの美味しいところが詰まっている。

 言葉で説明するのは難しいが、客と話をするなかでどのようなスタイルが好きなのかを理解し、スタイルを微妙に変えていくのが氏の手法だ。製作中のジャケットを何着か拝見すると、肩やゴージラインの塩梅など、それぞれが微妙に異なっている。それでも仕上がりは不思議と近藤氏の服になる。

「お客様が自分で服を作れたら、こういう感じの服を作るんだろうな、というイメージを常にもって仕事に臨んでいます。意識していることですか? 日本らしさでしょうか。つまり、丁寧な仕事です」

 氏は“日本らしさ”という、潔い言葉で言い切った。ずっと日本で学んできて自分なりに進化させてきたからこその、自負の表れなのかもしれない。

VICK TAILOR
東京都中央区銀座2-12-4 アジリアJ’s 701
TEL.03-5565-1525
営業時間:11:00~20:00(予約制)
定休日:水曜
www.vicktailor.jp/

本記事は2017年5月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 16

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

DAVIDS CLOTHING デイヴィッズ クロージング 貴重なお宝ものが数多く眠る 英国ヴィンテージの聖地

MARQUESS SHOEMAKER マーキス シューメーカー 究極の靴を追い求めて ストイックさを増す靴職人

FUGEE フジイ 究極の手縫い鞄作りを 目指し続ける真の求道者

YAMAGAMI SHIRT 山神シャツ シャツ作りへのたゆまない情熱が たゆまない進化を生むシャツ職人

DUNHILL GINZA HOME ダンヒル銀座本店 ワクワクが詰まった紳士の館世界3店舗のみの「ホーム」

ORTUS オルタス 革と対話し、革の魅力を最大限に引き出す手縫い鞄職人

FAKE α フェイク アルファ アメカジテイストを固守する究極のヴィンテージショップ

PECORA GINZA ペコラ銀座 ミラノに連綿と息づくスタイルを東京で継承した第一人者

YOHEI FUKUDA ヨウヘイ フクダ ニッポンのビスポークシューズシーンの牽引役となった靴職人

SARTORIA CICCIO サルトリア チッチオ 世界中の富裕層を魅了する都会的なナポリ仕立て

ANGLOFILO アングロフィロ 古きよき時代のナポリ仕立ての空気を追い求める男

BRYCELAND’S CO. ブライスランズ 原宿から世界に向けて発信される“イーサンズワールド”

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