Saturday, December 21st, 2019

NEO TRADITIONAL GAZATTEER RAKISH TOKYO GUIDE vol.11

FUGEE フジイ
究極の手縫い鞄作りを
目指し続ける真の求道者

キャリアを積むほどに鞄作りの難しさが見えてきた、
と語る藤井幸弘氏。到達せんとする世界はあまりにも高い。
photography takeshi wakabayashi text yuko fujita

上のクラッチバッグは革小物という捉え方で、¥290,000~(納期1年~)、下のブリーフケース「KM39」は、革の柔らかな質感と丈夫さを備えたモデルとして、12年にわたって定番となっている人気モデルのひとつ。使い込むうちに繊維がほぐれて柔らかさが増していく。定番8モデルのセミオーダーは¥330,000~(納期3~4年)、ビスポークは¥400,000~(納期6年~)。

 ビスポークの納期は今や6年という。今回取材した中では、抜きんでて長い。フジイの藤井幸弘氏は、オルタスの小松直幸氏の師匠であり、彼を育てた職人であることからも、どれだけ鞄作りに真摯に向き合っているか、おわかりいただけよう。

 手縫い鞄職人としての藤井氏を端的にいうなら、表現者であり、求道者だ。鞄を図面通りに仕立てるのでなく、何をどう表現したらより美しく見えるか、革の美しさをより引き出せるか、そこを追い求めて常に格闘し続けている。

「足し算引き算して縫い合わせれば、それなりの形になるんです。自分なりの風合いと耐久性をどう表現していくかが、そこが本当に難しいですね。毎回毎回が勝負なんです。ビスポークでは、お客様の要望を汲みながら自分を表現していかなければいけません。今は最低2個の試作を作ってから本製作に取りかかります」

 そのくらいして、ようやくこの革を扱えるかなというのが見えてくるという。普段から扱っている革でも、新しいことをしようとするとわからないことだらけで、経験を積むほど怖さと同時に上のレベルを追い求める欲が出てくるそうだ。
 手縫い鞄作りのキャリアは来年で40年になる。達観するどころか、10年前よりもひとつの鞄を作るのにかける時間は増えているという。6年という歳月を待てる人のみが、フジイの鞄を享受できるのだ。

FUGEE
東京都豊島区要町1-24-8
TEL.03-5926-3134
営業時間:11:00~19:00(予約制)
不定休
fugee.jp

本記事は2017年5月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 16

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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MARQUESS SHOEMAKER マーキス シューメーカー 究極の靴を追い求めて ストイックさを増す靴職人

YAMAGAMI SHIRT 山神シャツ シャツ作りへのたゆまない情熱が たゆまない進化を生むシャツ職人

DUNHILL GINZA HOME ダンヒル銀座本店 ワクワクが詰まった紳士の館世界3店舗のみの「ホーム」

ORTUS オルタス 革と対話し、革の魅力を最大限に引き出す手縫い鞄職人

FAKE α フェイク アルファ アメカジテイストを固守する究極のヴィンテージショップ

VICK TAILOR ヴィックテーラー 日本らしい美しさを追求した柔軟性も魅力のテーラー

PECORA GINZA ペコラ銀座 ミラノに連綿と息づくスタイルを東京で継承した第一人者

YOHEI FUKUDA ヨウヘイ フクダ ニッポンのビスポークシューズシーンの牽引役となった靴職人

SARTORIA CICCIO サルトリア チッチオ 世界中の富裕層を魅了する都会的なナポリ仕立て

ANGLOFILO アングロフィロ 古きよき時代のナポリ仕立ての空気を追い求める男

BRYCELAND’S CO. ブライスランズ 原宿から世界に向けて発信される“イーサンズワールド”

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