April 2020

HACKETT LONDON

ハケット氏の新しいサヴィル・ロウ

text yoshimi hasegawa
photography james holborow

1730年代に建築されたジョージアンタウンハウスで19 世紀後半から代々テーラーが入っていた。1946年からハーディ・エイミスの所有に。今回のデザイン・改装を行ったのは英国を代表するインテリアデザイナー、ベン・ペトリースだ。

 さらに、ここでは採寸、型紙をおこし、地下のワークルームで製作するという、サヴィル・ロウの伝統を完全に踏襲する形とした。これがこのストアのスペシャルティとなっている。

「テーラーリングはリヴァイバルの時期を迎えている。700年の歴史が一瞬にして消え去るものではない。私はもともとLess is More(少ない方がより豊かである)という感覚を持っていたが、若い世代はサステナビリティに関心がある。人々がハイストリートのスーツを大量に買うよりも、クオリティのあるものを大事に着るようになってくれたらいい。教育は常に大事だ。このストアがテーラーリングに興味を持つ人々の入口になってくれればと思っている。よい着こなしというのは誰にとっても重要だからね」

 最後に、シャンパンを片手に、いつものチャーミングな笑みを浮かべた。ジェレミーの新しい夢に乾杯しよう。

RTW(既製服)、MTM、ビスポークと、ハケット ロンドンのすべてのラインが揃う初のストア。

J.P.HACKETT NO.14 SAVILE ROWJ.P.HACKETT NO.14 サヴィル・ロウ
14 Savile Row,London W1S 3JN
TEL.+44 203 696 9061
www.hackett.com

THE RAKE JAPAN EDITION ISSUE 32
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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

本邦初公開! 新しくなった聖地 サヴィル・ロウ再起動

最高峰のビスポークの真価

サヴィル・ロウのゲームチェンジャー

【ヘンリー・プール】伝統に勝てるものはない

コンテンポラリーなビスポーク