Saturday, April 18th, 2020

MR.VICE GUY

アンチヒーローを極めた男
俳優:サム・ロックウェル

サム・ロックウェルは我々が必要性を認識していなかったアンチヒーローだ。
だからといって彼を嫌わないでほしい。
彼は今、ハリウッドの悪人の定義を再構築しているところなのだから。
text tom chamberlin photography david roemer
fashion direction grace gilfeather art direction rob french styling veronica perez

Sam Rockwell / サム・ロックウェル1968年、カリフォルニア州生まれ。役者の両親を持ち、10歳で舞台デビュー。1999年の『グリーンマイル』で強烈な印象を残し、2002年のジョージ・クルーニー監督デビュー作『コンフェッション』で初主演。その後も多くの作品に出演し、演技の幅を広げる。2017年、『スリー・ビルボード』でトラブルメーカーの警官を熱演し、アカデミー賞助演男優賞はじめ、賞レースを総なめにした。

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「楽しくてストレスのない環境で仕事がしたい。彼は撮影現場に素敵なエネルギーをもたらして大きな喜びにしてくれる、度量の大きなアーティストなんだ。それに演技も素晴らしい。大好きだよ」

 映画監督のタイカ・ワイティティが、サム・ロックウェルについて語ってくれた。ふたりは現在公開中の映画『ジョジョ・ラビット』をともに作り上げた仲だ。ワイティティのこの言葉は、ハリウッドの人間がロックウェルにどれだけ敬意を抱いているかを如実に表している。

 彼の演技には魔法のように時間、距離、調和が宿っている。微妙なニュアンスとコントラストを表現する力は超一流だ。だからこそ、誰もが彼の存在を知っているのに、彼についてほとんど知らない。ロックウェルは確かに不思議な引力を持つ、たまらなく魅力的な人物なのである。

やや遅咲きのアンチヒーロー サム・ロックウェルは役者夫婦の息子としてカリフォルニアで生まれた。舞台に出演する両親を見て育ち、10歳のときに母親の出る芝居で初舞台に立った。子供の頃について尋ねると、「ちょっとしたアナーキーが存在していた」と彼は答える。

「観るにはまだ早すぎるであろう芝居や映画をたくさん観ていたからね」。

本記事は2020年1月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION ISSUE 32

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