Monday, April 8th, 2019

Photographer Elliott Erwitt -Interview-

写真家エリオット・アーウィット インタビュー
“伝説”が語ったこと、写したもの

20世紀の写真史を代表する巨匠が本誌に語った独占インタビュー。
60年を超えるキャリアを経た今も衰えぬ写真への情熱と撮影術。
text yoshimi hasegawa photography ©Elliott Erwitt / Magnum Photos

Elliott Erwitt / エリオット・アーウィット1928年ロシア系移民の子としてパリに生まれ、ミラノで幼少期を過ごす。39年アメリカに移住。ロサンゼルス私立大学で写真を学ぶ。その後ニューヨークに移り、ロバート・キャパに認められ、53年マグナムに参加。68年から3年間代表を務める。世界中で大規模な個展が開催され、その功績は高く評価されている。

 ニューヨークは夢が叶う街だと人はいう。それがニューヨークの魅力だと。だが、私にはそこは見知らぬ遠い街だった。昨年もナポリにいてインタビューの機会を逃し、今もニューヨークに向かう機内で、その確約が取れずにいるのだから。

 飛行機が着陸体制に入ると、窓の外に、忽然とニューヨークはその姿を現した。水面に浮かんだトレーのようなマンハッタン島、立ち並ぶ摩天楼のシルエットが靄の中に浮かび上がる。不思議な既視感が私を襲った。私はここを知っている。この思いはどこから去来したものだろう。

 ニューヨークの猥雑な地下鉄のホームにいた時、そのメールは舞い込んできた。「エリオット・アーウィット氏のインタビューの許可がおりました」こうして私の夢は叶うこととなった。

 セントラルパークに面した建物の1階に彼のスタジオはあった。ドアマンに尋ねると、呼び鈴を押せと言われた。呼び鈴の下には「ELLIOTT ERWITT ENTERPRISES INC.」と鈍く光る真鍮のプレートの文字。それは現実と創造の世界を隔てているドアのように思えた。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 26
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