Sunday, January 17th, 2021

The Rock’n Roll Tailor

70年代を駆け抜けた伝説のテーラー
トミー・ナッターの魂

ザ・ビートルズが『アビー・ロード』のアルバムジャケットで着用し、
ミック・ジャガーが自らの結婚式で着用したホワイトスーツ、
これら時代に名を残すスーツを生んだのが気鋭のテーラー、トミー・ナッターだ。

トミー・ナッターとは何者だったのか?
紳士服の聖地「サヴィル・ロウ」に革命を起こした反逆児、その激動の生涯。
text yoshimi hasegawa
photography edward lakeman

色褪せないカリスマ性1970年代、黄金時代を築いたトミー・ナッターのカリスマ性と不変のスタイルは、遺されたオリジナルスーツやドローイング、型紙などに生きている。現在もトム・フォードなど多くのファンがいる。

グラマラスな革命児 1969年2月14日のバレンタイン・デー、革命の幕は上がった。

 場所は19世紀から「紳士服の聖地」と謳われたテーラリングの伝統を誇るロンドンのサヴィル・ロウ。

 その日、オープンした新しいテーラーには、モデルのツィッギーから貴族のモンタギュー卿まで、当時の名だたるセレブリティが集まり、サヴィル・ロウ35番地は史上空前の喧噪に包まれた。

 デザイナーのトミー・ナッターとカッターのエドワード・セクストン率いる「ナッターズ・オブ・サヴィル・ロウ」は、ジョージアン様式の建物が建ち並び、分厚いカーテンに閉ざされたサヴィル・ロウで、初めて全面ガラスのショーウィンドウを設け、120年ぶりに登場した新たなテーラーだった。

 その大きなウィンドウに飾られたのは、極端なワイドラペル、幅広く男性的なショルダーライン、対照的にぎりぎりまで絞り込んだハイウエスト、1920年代の「オックスフォード・バグス」に由来する幅の広いフレア・トラウザーズ。

本記事は2015年3月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 03

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