HOTELS DELUXE Vol.34
ホテル連載第34回:ホテル中華の冷たい麺
July 2025
じっとりとまとわりつく暑さをほどく、涼やかなひと皿は、夏ならではのごちそうだ。都内ラグジュアリーホテルの中国料理店が贈る、選りすぐりの冷たい麺料理4選。
text yukina tokida
<ザ・キャピトルホテル 東急>
旧キャピトル東急ホテル時代から続く伝統のレシピ。時を超えて愛される不変の味わいは夏の気だるささえ一掃してくれる。
一度食べたら忘れられない「海老・ニラ・挽肉入り塩味の冷たいスープそば」(¥3,668)。
崩すのが惜しくなるほど芸術的な盛り付けが美しい「五目冷やしそば(胡麻ダレ)」(¥3,668)。
ザ・キャピトルホテル 東急の中国料理「星ヶ岡」には、旧キャピトル東急ホテル時代から愛され続ける、夏の名物がふたつある。「海老・ニラ・挽肉入り塩味の冷たいスープそば」は、北京の郷土料理「醋滷麺(ツールーメン)」に着想を得て誕生したひと品。料理長の山橋孝之氏によれば、「現在、日本国内で提供している店はごくわずか」とのこと。そのシンプルな見た目に反して、山椒の痺れやひき肉の旨み、シャキシャキのニラが決め手のパンチある味わいで、一度食べるとやみつきに。大ぶりのエビ、コクのある鶏スープ、酢の酸味が重なり、夏の疲れを吹き飛ばしてくれるだろう。
もうひとつの「五目冷やしそば(胡麻ダレ)」は、10種の具材が主役。クラゲや錦糸卵、エビ、蒸し鶏、チャーシュー、八角で味付けたしいたけなど、種類も豊富で、ヘルシーながら食べ応えは十分。隠し味が効いた胡麻ダレは、驚くほどさっぱりとした味わい。箸が止まらなくなる軽やかさが魅力だ。
一般的な胡麻ダレのイメージを覆す、あっさりとした味わいの秘密は、隠し味として使われている「烏龍茶」。その軽やかさに驚かされるだろう。タレは別添えなのでタレの量を自分で調整できるのも嬉しい。
いずれも平日ランチ限定。アラカルトだけでなく、点心2種とデザートがついたセットメニュー(¥4,806)も人気。2階に位置する店内からは大きな窓の外に豊かな緑景が広がる。
お問い合わせ先
中国料理「星ヶ岡」TEL. 03-3503-0871
<ジャヌ東京>
昨年登場! アラカルトでは食べられないシェフ渾身のひと品は豚しゃぶを添えた、冷たい担担麺。
「虎景軒特製冷やし担担麺」。9月8日まで提供される夏季限定ディナーコース「鳳仙花」(¥28,000)の締めの一品として選べるだけでなく、8月11日までの期間限定で、月替わりランチセットメニュー「漢蓮」(¥5,800)と「青蓮」(¥7,800)でも楽しめる。
昨年登場した、豚肉たっぷりの「特製冷やし担担麺」は、ジャヌ東京「虎景軒(フージン)」ならではの夏の風物詩だ。特徴は、一般的な担担麺で使用されるひき肉を使わずに、薄くスライスした金華豚のバラ肉の湯引きをトッピングしていること。昆布出汁をベースに、胡麻や醤油、山椒油を加えたさっぱりとした味わいのスープは、豆乳を使用することでしっかりとコクも感じられる。豚肉のほかには、茗荷や水菜、仕上げにキャラメリゼしたクルミが添えられており、さまざまな食感も楽しめる。
嬉しいことに、今年からはディナーに加え、ランチでも楽しめるようになった。水分量の少ない麺からは小麦の香りがふわりと広がり、控えめなポーションもコースの締めにちょうどいい。料理長の山口祐介氏が太鼓判を押す、おすすめの一品だ。
店内は赤がテーマカラー。フロア中央にはダイナミックなライブキッチンも備えている。2〜10名用の個室も複数完備している。
お問い合わせ先:
「虎景軒(フージン)」TEL. 050-1809-5550
<グランド ハイアット 東京>
今年も魅力的な辛い料理が登場!冷たいサンラー麺は、酢と辛味、多彩な食感のバランスが最高だ。
「エビ イカ ホタテのせ冷やしサンラー麺」(¥3,542)。2025年8月31日まで、ランチだけでなく、ディナーでも楽しめる。他にはシグネチャーメニューの「コラーゲンスープ鶏煮込み土鍋そば」に豆板醤をプラスしたひと品や人気の麻婆豆腐を刀削麺と合わせたメニューもラインナップ。
窓付きの半個室や最大30名で使用できる個室も備えている。
お問い合わせ先:
中国料理「チャイナルーム」TEL. 03-4333-8785
<本連載の記事は以下より>
Vol.28 ホテルのこだわりパン《第一回 赤坂・虎ノ門エリア》
Vol.29 ホテルのこだわりパン《第二回 大手町・日比谷エリア》















