HOTELS DELUXE Vol.30
ホテル連載第30回:夏に食べたい麺料理
August 2024
うだるような暑さに負けそうになる夏は、ジムで汗を流し、とびっきり美味しいものをホテルでしっかり食べて体力をつけたい。夏の食欲を刺激してくれる麺料理5選。
text yukina tokida
<ウェスティンホテル東京>
一度は幻となった名物麺が完全復活!食欲をそそる山椒と胡麻が香るまろやかなスープがたまらない冷やし担々麺。
「龍天門特製冷やし担々麺」¥3,500(サービス料別・税込)。通年で提供。温かい担々麺も復活。
誕生当初から裏メニューとして愛されていたが、惜しまれつつもその姿を消したウェスティンホテル東京「龍天門」の冷やし担々麺。この名物料理の生みの親でもあり、同店を語る上で欠かすことのできない存在の陳啓明氏と彼の右腕として当時から腕を振るってきた中里卓氏がそれぞれ特別顧問と料理長として復帰したことで、ついに今年復活を果たした。
胡麻と四川豆板醬、西京味噌をバランスよく調合したまろやかで香り高いスープが、国産小麦粉で作られた細くてコシのあるオリジナル香港麺によく絡む。食欲をそそる花山椒のシビれ感もちょうどよい。挽肉やニラ、白髪ネギと自家製辣油が生み出すコントラストも美しい。暑い夏には特に食べたくなる、正真正銘の逸品だ。
営業時間:平日11:30~14:30(L.O.)/17:30~21:30(L.O.)、土日祝11:00~14:30(L.O.)/17:00~21:30(L.O.)
定休日:火曜(8月まで無休)
広東料理「龍天門」
TEL. 03-5423-7787
<シャングリ・ラ 東京>
マレーシア人シェフが考案した本場仕込みの熱々カレーラクサは、ココナッツの甘みとほどよいスパイシーさがやみつきになる。
「カレーラクサ」¥4,180(サービス料別・税込)。通年で提供。28階の「ザ・ロビーラウンジ」のほか、インルームダイニングでも注文可能。
シャングリ・ラ 東京で一年を通して提供されているアラカルトのなかでも、一番の人気を誇るメニューがこちらの「カレーラクサ」。サンバルソース(海老の味噌)を炒めてからココナッツミルクをたっぷり加えたスープは、海老好きにはたまらない奥深い味わい。一般的なラクサよりココナッツミルクを多めに配合していることもあり、ほどよいスパイシーさのなかにしっかりとコクと旨みを感じられる。
トッピングには、インゲンやフライドオニオンのほか、海老やイカ、ホタテや鶏肉がゴロゴロ入っており、この一杯だけでお腹を満たしてくれる。熱々のスープが冷房で冷えた身体を中から温めてくれるだろう。別添えされている辛みそで味変しながら食べ進めるのがおすすめだ。
営業時間:平日・土日祝7:00~23:00 定休日なし
「ザ・ロビーラウンジ」
TEL. 03-6739-7877
<京王プラザホテル>
50年近く前から愛される冷やしそばはこの時期だけ食べられる夏の風物詩。
「南園特製 五目入り冷やしそば」¥2,900(サービス料・税込)。2024年8月31日(土)までの提供。
1971年、広東料理が日本で今ほど親しまれていなかった当時、ホテル開業とともにオープンした中国料理「南園」。同店で50年近くもの間、夏限定で提供されており、多くのファンを持つのが「五目入り冷やしそば」だ。タレは、しっかりと煎ってミンチにされた香り高い胡麻タレか、生姜汁が隠し味の爽やかな柚子醬油タレの2種類から選べる。
コシのある細麺はつるっと食べやすく、蒸し鶏に叉焼(チャーシュー、くらげやきゅうり、錦糸卵や椎茸にらっきょうなど9種類もの具材のおかげでさまざまな味わいを楽しめるのも嬉しい。具材が綺麗に整列した正統派な見た目も食欲を刺激してくれる。
営業時間:平日11:30~14:30(L.O.)/17:00~21:00(L.O.)、土日祝11:30~21:00(L.O.)定休日なし
中国料理「南園」(レストラン予約)
TEL. 03-5322-8151
<コンラッド東京>
3種類の異なる味わいを一度に楽しめていろいろな栄養素も摂れる冷たい贅沢麺。
「夏の三昧涼麺」¥6,800(サービス料・税込)。2024年8月31日(土)までの提供。1日20食限定のため予約がおすすめ。
今年コンラッド東京から登場した「夏の三昧涼麺」は、いろいろな味を楽しみたい諸兄におすすめ。腸内環境を整える竹炭を練りこんだ麺を使用した「牛すね肉と竹炭冷麺」は豆板醬と醬油で味付けされた甘辛い混ぜ麺で、「海鮮のピリ辛冷麺」は伊勢海老の出汁を使ったトマトベースのタレがピリッとクセになる味わい。アサリやイカ、海老がトッピングされているため、ミネラルや亜鉛を摂れる。
鮑(あわび)や野菜を添えた「トリュフオイル香るあわびの冷麺」は、鮑の出汁でスペアリブを煮こんだソースでいただく、旨味が凝縮した一品。夏に不足しがちな栄養素を補うのにも最高のひと皿なのだ。
営業時間:平日・土日祝11:30~14:00(L.O.)/17:30~21:00(L.O.)定休日なし
中国料理「チャイナブルー」
TEL. 03-6388-8745(レストラン予約)
<ホテル雅叙園東京>
フルーツトマトの酸味と甘味が食欲を促すカペッリーニは素材の味が生きている逸品。
「北海道産縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」ランチコース¥5,500/ディナーコース¥11,000(サービス料別・税込)。
ホテル雅叙園東京の「RISTORANTE “CANOVIANO”」で、その前身時代から30年以上提供されているカペッリーニは、トマトの適度な酸味で食欲を刺激したいという思いからコースの1品目に提供されているだけあって、ひと口食べるとむくむくと食欲が湧いてくるひと品だ。
あえて規定の時間より長く茹でて、氷水で引き締めアルデンテに仕上げた麺に絡むのは、シェフこだわりのオリーブオイル「サルバーニョ」と、皮ごと攪拌(かくはん)してから裏ごしした国産フルーツトマト。トッピングのレモンドレッシングで軽くマリネした北海道産縞海老と、サルディーニャ島産のカラスミとの相性も抜群だ。
営業時間:平日11:30~14:30/17:30~21:30(L.O.)、土日祝11:30~15:00/17:30~21:30(L.O.)
定休日:水曜
「RISTORANTE “CANOVIANO”」
TEL. 050-3188-7570
<本連載の記事は以下より>
Vol.28 ホテルのこだわりパン《第一回 赤坂・虎ノ門エリア》
Vol.29 ホテルのこだわりパン《第二回 大手町・日比谷エリア》