HOTELS DELUXE Vol.28
ホテル連載第28回:ホテルのこだわりパン《第一回 赤坂・虎ノ門エリア》
April 2024
各ラグジュアリーホテルが密かに力を入れているのが、毎日早朝からホテル内で焼き上げる自家製パン。今回は東京の赤坂/永田町・虎ノ門エリアにおいてテイクアウト可能なショップを3つピックアップした。
text yukina tokida
<The Okura Tokyo>
メープルシロップが香る高級食パンに、老舗製餡会社の粒あんが主役のあんぱん、そして期間限定のスイーツ食パン……舌の肥えたあの人への手土産にも最適。
上部にはホテルロゴの焼印も。大きさは1.5斤。メープルシロップは最も強い風味を持つとされるランク“ベリーダーク”を使用。パンを包むオリジナル風呂敷は次回購入時に持参すると200円返ってくる。「匠 食パン ~楓 Kaede ~」¥1,800
オークラ東京では、パティシエの経歴を持つ淡路文雄氏による多彩なパンが揃う。2カ月毎にフレーバーが替わる「スイーツ食パン」は、一年を通して人気のシリーズ。4月まで販売されている「フリュイルージュ」は、クランベリーがぎっしり練り込まれた、ベリーが香る食パンだ。トースターで軽く焼くことで、果肉がよりジューシーになるのでぜひ試してほしい。耳の部分も柔らかく、ほどよい酸味と噛むほどに増す甘味がクセになる。何もつけなくても美味しい、紅茶やワインとも合うひと品だ。
また、ちょっとした手土産にも最適なのが、希少な大納言小豆を使った「匠 粒あんぱん【大光珠】」。あんこ好きを魅了する老舗「木下製餡」と試作を繰り返して完成した粒あんを使用しており、もっちりとした生地との相性も抜群。餡がたっぷり入っているが、ちょうどいい甘さで軽くひとつ食べられるだろう。
そして極めつきは、メープルシロップの上品な香りとやさしい甘さが特徴の「匠 食パン ~楓 Kaede ~」。最高級の小麦粉や発酵バター、生クリーム、カナダ産のナチュラルメープルシロップを惜しみなく使用した贅沢な食パンだ。購入した日にはそのままで、翌日はトーストで食べるのがおすすめ。無塩・有塩バターのどちらとも合う、絶妙な甘さが魅力だ。
上には大粒のかのこ豆だけでなく金箔も。「匠 粒あんぱん【大光珠】」¥420
分厚い3枚切りで一袋の「フリュイルージュ」¥720
25種前後のパンが並ぶ店内。当日店頭分の取り置きも可能。確実に入手したい場合には3日前までのご予約を。
「デリカテッセン シェフズガーデン」
営業時間:10:00~20:00
TEL. 03-3505-6072
<ANAインターコンチネンタルホテル東京>
朝7時から購入可能。朝食に最適なクロワッサンは仏産の材料を使用したオリジナル生地が美味しさの秘密。
「クロワッサン」¥400、「パン・オ・ショコラ」¥400、「エスカルゴ」¥400、「クロワッサン“フランボワーズ”」¥450、「クロワッサン“シトロン”」¥450、「クロワッサン“カフェ”」¥450
ANAインターコンチネンタルホテル東京のベーカリーショップは、36階にあるフレンチ「ピエール・ガニェール」のガニェール氏が手がけるパティスリーというだけあって、フランスのオーセンティックな品々が揃う。
なかでも注目は種類豊富な「クロワッサン」。美味しさのカギとなるのは仏産の小麦粉と発酵バターを使い、同じく仏産の天然酵母を練り込んだクロワッサン生地。バターを折り込む量を徹底的に追求して辿り着いた、外はパリパリ&中はもちもちな完璧な食感が自慢だ。現在全約40種類のパンのうち、この生地が使われているのは8種類。王道の「クロワッサン」から甘さ控えめのチョコを巻き込んだ「パン・オ・ショコラ」まで絶品揃い。特に「クロワッサン“フランボワーズ”」は、かぶりつくと中から甘酸っぱいフランボワーズジャムが出てきて、バターの香りや生地の香ばしさ、食感と相まってこれ以上ない幸せに包まれる。
期間限定でイチゴを使った5種も販売中で、先述のクロワッサン生地で粒あんとイチゴを包んだ「リボンデニッシュ」もそのひとつ。果肉感、あんこ、軽やかな生地の抜群の相性をぜひ味わってほしい。
「リボンデニッシュ」(6月30日までの期間限定)¥520
「 ピエール・ガニェール パン・エ・ガトー」
営業時間:7:00~19:00
TEL.03-3505-1111(代表)
<ザ・キャピトルホテル 東急>
長く愛される名品に加え、新作も登場。その筆頭はワインのお供にも最適な、トリュフが香る贅沢パン。
いずれも3日前までの予約がおすすめ。上:口溶けのよい生地と、やさしい甘さのバナナの味わいは唯一無二。「バナナブレッド」S サイズ ¥1,296/Lサイズ( 写真)¥1,512
ザ・キャピトルホテル 東急の「バナナブレッド」は、誰もが認める名品だ。1963年の「ORIGAMI」創業とともに誕生し、今もこだわりが受け継がれている。特筆すべきはバターを一切使用していないこと。バナナの風味が引き立つだけでなく、冷めてもしっとりとした食感をキープできるという。しかもLサイズには2本分、Sサイズには1.5本分もバナナを使用。シュガースポットがでている完熟バナナを使用することで、香りだけでなくしっとり感も増すのだ。好みの厚さに切ってそのまま食べるのはもちろん、シェフによると生クリームやアイスクリームを添えたり、バターを塗って軽くトーストするアレンジもより風味が豊かになっておすすめだとか。
また、次なる名品として支持を集めるパンも続々と誕生しており、「塩トリュフ」はその筆頭。試作を重ねて完成したもっちりとした生地でトリュフペーストを包み、仕上げとして表面にトリュフオイルをプラス。トリュフとバターの芳醇な香りに思わず深く息を吸ってしまうだろう。表面はカリッとした仕上がりで、口当たりも軽やか。ワインとのマリアージュも最高だ。
2年前の誕生時から人気の「塩トリュフ」¥324
「ORIGAMI」(※現在は3階のラウンジにて販売)
営業時間:11:00~18:00
TEL. 03-3503-0208
<本連載の記事は以下より>
Vol.28 ホテルのこだわりパン<第一回 赤坂・虎ノ門エリア>