THE PLEASURE OF BESPOKE

オーダースーツの新潮流は
仕立て映えするソフトラグジュアリー

June 2021

今、オーダースーツの服地に新たなムーブメントが起きている。
しなやかさと同時に耐久性も備えたソフトラグジュアリーな服地が熱い!
photography jun udagawa
styling akihiro shikata
text yuko fujita

Ciccio 上木規至氏がオススメする
ラグジュアリー服地

TAYLOR & LODGE
Lumb’s Golden Bale(左)
オーストラリア産の最高級羊毛を糸にしたラムズゴールデンベールは、現在テーラー&ロッヂだけに供給されている。こちらはそれを強撚の4プライにして平織りにした服地。上木氏はグレイの杢の感じがきれいな表情だと絶賛。ほかに無地だけで20色以上揃えているのもいい。トラウザーズのクリースが取れにくいのも高ポイントだ。280~300g/m。ビスポークスーツ¥580,000(オーダー価格) Ciccio(チッチオ ジャパン Tel.03-6433-5567)

ENGLISH SILVERN
Triumph Twill(右)
生地商社の銀座サワモトが英国で織り上げている知る人ぞ知るブランド、イングリッシュシルヴァーンのトライアンフツイルで仕立てた一着。スーパー150’sを94番双糸にし、通常の2/2ではなく3/3のツイルに織り上げることで、畝の幅が出て表情が増しているのと、糸を1本多く通している分、重厚感がグッと増している。300~320g/m。ビスポークスーツ¥580,000(オーダー価格) Ciccio(チッチオ ジャパン Tel.03-6433-5567)

「イングリッシュ シルヴァーンのトライアンフツイルは、私が今まで仕立ててきた中で最も素晴らしいと感じた服地のひとつです。スーパー150’sの原毛を94番双糸にして3/3のツイルに織り上げており、とてもしなやかで、適度にコシがあって大変仕立て映えのする、ウールの質とツイルの織り方のいいところが上手くピタッとはまった服地だと思います。

 当店のお客様は柔らかな生地を好みますが、こちらは柔らかさはそのままに、それなりの耐久性も備えています。上品な艶があり、夜の光にも映える濃いネイビーはとてもエレガントです。

 もうひとつは、テイラー&ロッヂの4プライです。強撚でドライなタッチですが、大変しなやかで、光沢は控えめです。夏のトラベルスーツだとモヘアかフレスコが常でしたが、これはそれに代わる服地としてオススメしたいです。どちらも高級素材をそう見せずに織っているところがいいですね」

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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