Friday, April 30th, 2021

2021 The RAKES of the Year

ザ・レイク・オブ・ザ・イヤー vol.4

The Game Changers
マイナーであることを跳ね返したふたり
text tom chamberlin

Kidane Cousland / キダネ・コースランド(左)ロンドン北部のトッテナムにラス&マリアム・ゴールディングの息子として生まれる。コースランドは母マリアムの旧姓である。名門として知られるサンドハーストの王立士官学校にて、2016年、黒人として初のソード・オブ・オナーを受章し、多くのマイノリティの希望となった。

Solomon Golding / ソロモン・ゴールディング(右)キダネの実弟。3人兄弟で、長男のアマルティもアーティストとして活躍している。8年間ロイヤルバレエスクールで訓練を受け、2012年に卒業して香港バレエ団に入団、その後ロンドンに戻り、13年にイギリス生まれの黒人ダンサーとして初めてロイヤルバレエ団に入団した。

 THE RAKEに掲載されたキダネ・コーススランドとソロモン・ゴールディングの記事は、多くの読者から喝采を浴びた。その理由は、彼らの写真が素晴らしかったこと、また彼らが実に自然体で撮影されていたからだろう。

 しかし、一番の理由は、彼らのストーリーが希望と可能性を与えるものだったからに違いない。兄のキダネは16歳で軍隊に入隊し、出世して王立士官学校があるサンドハーストで、黒人初のソード・オブ・オナー勲章を受章した。11歳まで読み書きができなかったという事実は、これをさらに印象的なものにした。

 ロンドン北部トッテナムでキダネと同じ公営団地で育ったソロモンは、ロイヤルバレエ団の初の黒人英国人ダンサーとなった。香港やサンフランシスコのバレエ団でも踊っており、演技やファッションの世界にも進出しようとしている。このふたりの兄弟を見ていると、ポジティブになることができる。THE RAKEは、ソロモンとキダネこそ、現代の象徴的な存在だと思う。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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