Friday, June 18th, 2021

THE SOUND OF TIME
―Patek Philippe パテック フィリップ―

限られた者だけが
手に入れられる“音”

人の手で作り出される美術工芸品のような時計は、じっくりと時間をかけて完成する。
ミニット・リピーターウォッチはその最たるものだ。
text tetsuo shinoda

ミニット・リピーター・
トゥールビヨン 5303
2対のゴング&ハンマーを含めたミニット・リピーター機構がダイヤル側から見えるように設計された自社製ムーブメント、キャリバーR TO 27 PSを搭載。6時位置のスモールセコンドの向こう側には、トゥールビヨンキャリッジの回転する姿が見える。ケース素材は柔らかな音になるというローズゴールドを使用。ケースサイドはリーフ装飾を施したインサートが入る。手巻き、18KRGケース、42mm。価格要問い合わせ Patek Philippe(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109)

 高級品が好調だという今、中でも特に顕著なのは超高級時計かもしれない。コロナ禍で業界全体の売上が落ち込んだのは事実だが、それは店舗や工場が休業したことによる理由が大きいだろう。需要はむしろ伸びており、事実、優良顧客を多く抱える時計店に話を聞くと、むしろ超高級時計の売れ行きは好調だという。

 特に好調なのが、世界最高峰の時計ブランドの一角である「パテック フィリップ」のミニット・リピーターモデルだ。基本的には受注生産であり、入手するまでに時間がかかる。しかも過去の購入履歴などによる条件もあり、誰もが希望すれば購入できるものではないにもかかわらず、ウェイティングリストが途切れないほどの人気が続いている。

 時刻を音で伝えるというミニット・リピーター機構は、塔時計の鐘突き機構に代表されるように、珍しいものではなかった。しかしその機構を小さな携帯用の時計に収めるというのは極めて困難で、18世紀中頃にようやく懐中時計に搭載され、暗闇で時刻を確認する際に重宝したという。その後、技術革新によって腕時計に搭載できるまで機構は小さくなったが、市場のニーズが少なくなり、パテック フィリップでも1960年代を最後に、一時的に製造されなくなった。

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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日本における マセラティ絶好調の理由

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トゥールビヨンという 原点への敬意

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いま超高級品が元気!