June 2021

THE LAVISH CARS

数千万〜億超えのクルマが
次々と完売!

“超”の付く高級車が、次々と売り切れているという。
ウルトラセレブのためにつくられた、巷には現れないクルマたちをご紹介しよう。
text tatsuya kushima

Ferrari 488 GT Modificataこれはフェラーリ・クラブ・コンペティツィオーニGTと呼ばれるフェラーリ主催のサーキットエクスペリエンスプログラムに参加できるサーキット専用の限定モデル。買うことができるのは上記のレースに過去フェラーリで参戦したことのある者。中身はレーシングカーである488GT3と488GTEのいいところを持ち合わせた700馬力のモンスターマシン。“ Modificata”は「性能を進化させる」ことを意味する。Ferrari

 自動車が一般的な乗り物になり始めたのは20紀初頭である。“自動車の父”と称されるヘンリー・フォード氏がT型フォードを世に送り出し、それが実現した。ベルトコンベアー方式の大量生産が可能になり、価格がグッと下がったのが要因と言われる。

 では、それ以前の自動車は誰のためのどんなものだったのか。20世紀最大の産業となる夜明け前のことだ。

 一台生産するのに莫大な労力を必要とした初期のクルマは、ヨーロッパの貴族、王族、富豪がそのお客さんであった。新し物好きの彼らにとってそれはとても魅力的にとらえられたと考えられる。ひとりが注文してそれを見せびらかすとまた別のひとりが注文をするといった感じだ。

 それじゃどんなカタチをしていたかというと、じつにさまざま。基本的に馬車の時代から続くキャビンをベースに、エンジンを前に置いたり、4つのタイヤを付けてつくられた。長年ベントレーを架装しているコーチビルダーのマリナーの歴史がベントレーよりも長いのはそんな理由である。馬車が始まりだ。

Bentley Mulliner Bacalar200年の歴史を持つマリナーがベントレー傘下に入りビスポーク部門としてそのチカラを発揮したのがこのBACALAR。ベースになったのはベントレー100周年記念のコンセプトカーEXP100GT。その要素を取り入れているが、目玉は2シーターオープンという形状。現行ラインナップにはないジャンルだ。またベントレーらしくラゲッジにトラベルケースセットが装備される。ビスポーク可能の世界限定12台は即完売。Bentley(ベントレーコール Tel.0120-97-7797)

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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