NEO TRADITIONAL GAZATTEER RAKISH TOKYO GUIDE vol.13
DAVIDS CLOTHING デイヴィッズ クロージング
貴重なお宝ものが数多く眠る
英国ヴィンテージの聖地
December 2019
絶対に外せないのが渋谷のデイヴィッズ クロージングだ。
ロンドンでは“ソニー”の愛称で親しまれているオーナーの斉藤博之氏。80年代のサヴィル ロウ製のモヘアビスポークスーツに、エルメスのシャツ、30sのネクタイというコーディネイト。テーラーを目指そうとしたが、自分の理想である30sや40sの服は再現できないと思い、この世界に入った。同店は代官山時代を含めて1993年からあるが、今なお年に5~6回はロンドンに自ら買い付けに行っている。
アメリカンヴィンテージの聖地がフェイク アルファなら、英国ヴィンテージの聖地は渋谷のデイヴィッズ クロージングだろう。オーナーの斉藤博之氏は知る人ぞ知る英国ヴィンテージクロージング界のカリスマだ。
かつて30sスタイルのスーツを仕立てるテーラーになろうとしただけあって、同店のテーラード製品の充実ぶりには目を見張るものがある。ラグジュアリーブランドのデザインチームが来日した際に、ここを訪れ、どっさり購入していくことがしばしばあるそうだ。今回の取材時も、店内で北京のジョージ・ワン氏とばったり出くわした。ここは海外のウェルドレッサーたちにとっても、外せない存在の名店なのである。
まずチェックしたいのは、サヴィル・ロウのビスポークスーツ。極上品がずらりと並んでおり、取材時にはトミー・ナッターのスーツを発見した。シャツやタイ、タイクリップやカフリンクスなどの小物類、ドレスシャツなど、テーラードに関するその他の製品も充実している。
ヴィンテージは全身それで固めると、ときにコスプレに陥ってしまうが、1~2点をコーディネイトに加えるソフト路線なら、スタイリングに変化をもたらし効果的だ。そういう今のフィルターを通して見ても、やはりここはお宝ものがザクザクだ。ぜひ訪れてほしい名店である。
DAVIDS CLOTHING
東京都渋谷区渋谷1-22-4
TEL.03-3409-8822
営業時間:15:00~20:00
無休
本記事は2017年5月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 16