July 2019

BIG LIGHT

俳優:スタンリー・トゥッチ
ハリウッドの寵愛を受ける才人

photography tomo breje text tom chemberlin fashion and art direction sarah ann murray
issue10

スリーピーススーツ、シャツ、ネクタイ すべてCifonelli
ポケットチーフ property of The Rake
眼鏡 本人私物

 彼は、『プラダを着た悪魔』で演じたナイジェルについて、「彼の仕事が彼のアイデンティティだ」と語ったことがあるし、彼自身も以前はそういうタイプだった。だが、この本からわかるように、いまではもっとバランスの取れた人生を送っており、安定感や充足感が感じられる。

「今、良い方向に向かっていると感じているけど、以前はもっと仕事中心の毎日だった。子供が生まれると、アイデンティティの大きな部分を占めるようになる。子供中心の生活になるんだ。そうしないと、何もかもがダメになるし、誰も幸せになれない。すべてが変わるけど、これは良い変化だと思う」

 さまざまな顔を持つスタンリー・トゥッチは私たちを魅了し、夢中にさせ、啓蒙し、喜ばせ、興奮させ、楽しませる。彼の仲間になると気分が上がり、元気になる。業界内外で彼の話を聞くと、誰もが「彼の持ち味をきちんと伝えてほしい」「スタンリー・トゥッチが大好きなんだ」と言う。実際、彼の演技力は認められ、才能も評価され、キャリアはますますパワーアップしている。自らの能力を存分に発揮しているので、「持ち味がきちんと伝わるか」を心配する必要はない。そして、彼のクリエイティブな探求心は留まるところを知らない。

「僕はいまでも仕事に夢中だけど、以前ほど量をこなす必要はない。量を減らして、もっといい仕事をしないとね」

本記事は2016年1月23日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 08

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