A SINGULAR WOMAN

唯一無二のトップ女優 ジュリアン・ムーア

July 2019

text tom chamberlin
photography richard phibbs
fashion direction grace gilfeather
issue10

ジャケット、パンツ Ralph Lauren Collection
パンプス Christian Louboutin
右手人差し指のリング 「パルム・ヴェルテ・コレクション」 18Kフェアマインド認証YG Chopard
左手薬指のリング property of Julianne Moore

 この様子を収めたフィルムは*『42丁目のワーニャ』(1994年)というドキュメンタリー映画となった。同作でジュリアンは批評家たちの興味を一気に掻き立てた。また、1993年の『ショート・カッツ』、1995年の『ケミカル・シンドローム(SAFE)』、『9か月』でも世間から注目を浴びる。当時の評価についてこう話す。

「“何が起こったの?”という感じでした。女優としてまだ認められていなかった私がアーティストと呼ばれ、“素晴らしい”と評価されるのですから」

仕事の成功と“家族” 実績に見合った名声を順調に得てきたが、ジュリアン自身はスポットライトを浴びたがるタイプではなかったようだ。プライベートも控えめで、家族との生活がゴシップネタになることもない。人生を満喫できる収入を得ているはずだが、生活の中心はあくまで家族だ。地方公演など、家族と離れる時間はできるだけ少なくしているらしい。

「昔は働いて自活したかっただけ。自分の生活を大切にしていたので、大スターになりたいなんて思ったことはありません。もともとプライベートを優先するようなタイプじゃなかった。でも夫と出会い、ふたりの子供が生まれ、やがて学校に通うようになり、家族を守りたいと思うようになりました」

*『42丁目のワーニャ』 = ルイ・マル監督(『死刑台のエレベーター』ほか)の遺作。上演日未定の舞台劇のリハーサルを描いたドキュメンタリー。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 27
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