NICOLAS CAGE

映画狂を虜にする俳優:ニコラス・ケイジ

August 2024

「こんなことを言うとおかしいけれど、演技しなければならないのは嫌なんだ」。ニコラス・ケイジは決して、自身の職業上の存在理由を嘆いているのではない。彼はそれを再定義しているのだ。このアカデミー賞受賞俳優が、THE RAKEの独占インタビューで、猫との幻覚体験や、ラスベガスの痛ましい夜、仕事中の飲酒について、語ってくれた。
text nick scott
photography simon emmett
fashion direction jo grzeszczuk
Produced by Flower Avenue
issue10

Nicolas Cage / ニコラス・ケイジ1964年1月7日、カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。父はサンフランシスコ州立大学の学部長で、母は元バレエ・ダンサー。フランシス・フォード・コッポラを叔父に持つ。枠にとらわれない多彩な役柄を演じ続ける、実力派の俳優だ。プライベートでは、2度の離婚を経て、3度目の結婚を迎えるも、現在は別居中。

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「彼がエイトボール(約3.5g)のコカインを足首に縛り付けているなんて、知らなかったんだ! 寝耳に水だったよ! もし知っていれば、インターコムをひっつかんで“自分は機長だが、体調不良で機体の制御を失いつつある”と皆にアナウンスするような真似は絶対にしなかった…」

 54歳になった今でも、自身の若気の過ちについて話すとき、ニコラス・ケイジの声は茶目っ気を帯びる。前述の旅行談は、彼とチャーリー・シーンが悪さをやってのけたときのものだ。今こんなことをしようものなら、すぐさま刑務所に入れられることだろう。「あれは単なる子供の遊びごとだったんだ。僕らは20代前半だったから」とケイジは話す。

「やったのは本当だ。ちなみに、機体は制御を失っておらず、完全に安定していた。当然のことながら、機長は激怒していたよ。着陸すると、空港警察が機体のドアのところで僕らを待ち構えていた。僕が何とか言い逃れをして、最終的にはふたりとも解放されたけれど。ところが、サンフランシスコで一緒に車に乗り込んだとき、チャーリーが自分の足首に輪ゴムで巻き付けたものを見せてきたんだ……」

 今日、ケイジにまつわることとして知られるもうひとつのエピソードは、不吉なことに、トム・ウェイツが幻覚作用のあるキノコを1袋くれたところから始まる。なお、その理由についてはケイジもはっきりと確かめたことがないという。

本記事は2018年3月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 21

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