Monday, August 19th, 2019

NICOLAS CAGE ニコラス・ケイジ

映画狂を虜にする、
稀代のハリウッドスター

text nick scott photography simon emmett fashion direction jo grzeszczuk Produced by Flower Avenue
issue10

ウェスタンジャケット Kingsman by Mr Porter
シャツ ¥75,000 Tom Ford
デニム Acne by Mr Porter
ウールタイ Anderson & Sheppard Haberdashery
ベルト Harrods of London
ハット、時計 both by property of Nicolas Cage

 第1のCは、とてつもない規模の不動産を買い集めたことを指している。イングランドのサマセットにあるミッドフォード城や、ドイツのバイエルンにあるシュロス・ナイトシュタイン城に加えて、アメリカのニューオーリンズやロードアイランドにある大邸宅を購入し、バハマでは島ひとつを丸ごと買い取った。第2のCは、2011年のオークションで210万ドルの値が付いた、秘蔵の『スーパーマン』コミックスを指している(ケイジは2005年に、スーパーマンのクリプトン星での名前にちなみ、ふたり目の息子をカル=エルと名付けたほどだ)。第3のCは、2007年に元ビジネスマネージャーから反訴された際に、法廷で注目の的となった車のことだ(ケイジはこのマネージャーを、財務能力の欠如を理由に訴えていた)。マネージャーは、ケイジの豪快な買い物の中でも、9台のロールス・ロイスを含む22台の車が特に目立ったと述べたのだ。さらに、4隻のヨットも購入し、カリブ海、地中海、カリフォルニアのニューポートビーチ、ロードアイランドに1隻ずつ保有していたという。彼が長年の間に買い求めた品々の中には、イラン国王が所有したランボルギーニや、ガルフストリーム社のジェット機も含まれていた。(厳密に言えば、第4のCは“Cartilage”、つまり軟骨だった。2007年、ケイジはレオナルド・ディカプリオよりも高値を付けて、6700万年前のティラノサウルス・バタールの頭蓋骨を競り落とし、27万ドルを支払った。)

 こうしたエピソードは、ケイジがはなはだ意図的に笑わせているということだけでなく、映画作りの仕事に関してきわめて真剣であるという事実を見えにくくしてしまう。ケイジには、ひとつ興味深い習慣がある。自身の名前が監督としてクレジットされているのは1作品のみ(2004年の『ソニー』)であるにもかかわらず、自らを映画制作者(filmmaker)と呼ぶのである。考えてみれば、何ら問題はない。必ず客を呼ぶギタリストが自分をミュージシャンと呼ぶのと変わらないだろう。また、彼は生粋の映画博士でもある。それは、彼が今日身に着けてきたもののうち、特に目を引くもうひとつのアイテム、カウボーイハットにも表れている。この帽子を仕立てたのがロンドンのロック&コーだと聞くと、少々意外に思われる方もいるかもしれない。ラビットファーフェルト製の本品は、彫刻を施したレザーバンドをあしらっており、内側にはカスタマイズされた刺繍入りのビン革が付いている。刺繍を担当したのは、同じく英国王室御用達のハンド&ロックだ。

本記事は2018年3月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 21

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