November 2019

-KEVIN HART-

全米一の人気コメディ俳優
ケヴィン・ハート

text tom chamberlin photography dylan don fashion direction grace gilfeather styling ashley north
Special thanks to the Corinthia Hotel, London, and the Grenadier Guards

 ケヴィンが才能を発揮したプロジェクトは実写映画だけではない。サム・クックを彷彿とさせる彼の特徴的な声はちょっとしたトレードマークになっている。十分な声域もあるのでさまざまなキャラクターに適応するのだ。声優というジャンルへの進出について、彼は「思ってもみなかったもうひとつの道」と話す。

『ペット』(2016年)や『スーパーヒーロー・パンツマン』(2017年)は、そんな彼の歩みを示す最たる例だ。前者の続編『ペット2』(日本では2019年7月26日公開)で、ケヴィンはクレイジーだが愛らしいウサギ、スノーボールの声を引き続き担当した。1作目で悪役だった彼が、続編で中心的なキャラクターとなることは何の不思議もない。スノーボールは、1作目の中でも抜群に面白くて印象的な存在だったからだ。ケヴィンはこの役が自身のキャリアにもたらし得る効果に期待を寄せる。

「『トイ・ストーリー』でウッディを演じたトム・ハンクスや、『シュレック』でドンキーを演じたエディ・マーフィを考えると、スノーボールは自分にとって大きな存在になると思うんだ。“僕にとってのドンキーになるんだろうか?”と期待してしまう。俳優はそういう瞬間を待ち望むものだから」

目標へたどり着くためのパズル そんなケヴィンは、やはり映画俳優としての未来も思い描いている。コメディ専門の俳優というより、シリアスな役も演じられる主演俳優を目指しているのだ。新たな方向性の第一歩となったのは、2017年の主演映画『人生の動かし方』。これはフランスの名作『最強のふたり』(2011年)のリメイクだ。そして間もなく撮影が始まるのは、『Fatherhood(原題)』。作品のテーマである“父であること”の意味を彼自身がいかに真剣に考えているかを鑑みれば、次回作としてふさわしい作品であることは間違いない。

本記事は2019年7月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 29

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