Wednesday, January 29th, 2020

DOM PÉRIGNON in ONOMICHI

このシャンパーニュは、大自然の驚異そのもの

特別なシャンパーニュのデビューにあたり、選ばれたのは瀬戸内の無人島だった。
“自然のエネルギーを感じてほしい”という思いが伝わってくる、唯一無二のイベントをリポートする。
photography hdp-photography/harold de puymorin

瀬戸内の無人島の砂浜に刺された、まるで燭台のようなシャンパーニュ・テーブル。グラスは黄金の液体で満たされている。大空、海、島々をバックにしたそれらは、幻想的な風景をつくり出していた。

 尾道は、美しい海と山に囲まれた瀬戸内の古都である。『時をかける少女』(1983年)など、大林宣彦監督の名作の舞台となったことでも知られる。銀幕に映し出された連なる坂のシーンが印象的だった。その坂をクルマで3つ4つ超えた先に、壮麗なマリーナが現れる。海運の老舗が運営するリゾート“ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道”だ。湾内には豪華クルーザーやヨットが静かに停泊している。

 そこからさらにクルーザーに乗り換え、瀬戸内の島々の間を縫うように走ると、小さなビーチとツリーハウスを備えた小島が見えてくる。白いパラソルが立ち並び、砂浜からは細い桟橋が延びている。瀬戸内には大小合わせて727の島があるといわれるが、その多くが無人島である。この島にも住民は誰もいない。

 ビーチには長いテーブルが設えられ、波打ち際にはまるで燭台のような鉄棒が刺してあり、その上にはシャンパーニュ・グラスが置かれている。新醸造最高責任者ヴァンサン・シャプロンの合図のもと、グラスに黄金の液体が注がれる。

 大空の下、全員で杯を交わす。招かれた幸運なゲストたちが味わったのは、“ドン ペリニヨン ヴィンテージ2002 プレニチュード2”だ。至高のシャンパーニュのデビューにふさわしい、実にドラマチックな演出であった。

 プレニチュード2は、特別なラベルである。ドン ペリニヨンは、常に単一年のブドウのみから造られる。その熟成には8年の時を要する。しかし、各ヴィンテージのうち限られたボトルは、当初から別のセラーに置かれ、より長期にわたる熟成を重ねる。15年超を経てエネルギーの拡大は最大に達し、2度目の頂点=プレニチュードへ上り詰めるのだ。

 2002年は、ブドウの糖分の高さが過去20年間で最高だったという。さまざまな気象条件、日照、そして土壌が組み合わさった奇跡の年だったのだ。

 新しいワインのテイスティングに、高級レストランやバーではなく、わざわざ瀬戸内の無人島を選んだのは、“自然のエネルギーを感じてほしい”という主催者の思いがある。眼前に広がる青空と大海原、島々の影、打ち寄せる波の音…それらが口中に広がるシャンパーニュの味を引き立てる。ドン ペリニヨンは、人間の英知の結晶だが、プレニチュード2は、人の力だけでは到達し得ない、大自然の驚異そのものなのだ。

お問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ TEL.03-5217-9732 www.domperignon.com

本記事は2019年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 29

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