-KEVIN HART-
全米一の人気コメディ俳優
ケヴィン・ハート
November 2019
コメディアンからの転換 俳優に転向したコメディアンは、ケヴィン以前にももちろんあまたいる。彼は特にエディ・マーフィに刺激を受けたという。
「コメディは俳優業に生かせると思っていたよ。舞台に立っているときはさまざまな場面に入り込んで観衆にストーリーを伝え、キャラクターを演じ、芝居をしているからね。エディ・マーフィやリチャード・プライヤー、クリス・タッカー、マーティン・ローレンスを見てもわかるように、自分のコメディを新たな次元へと高めつつ、俳優業でも成功したコメディアンは大勢いる。彼らは同じ“面白さ”を演技の中に持ち込むことができたからね」
ケヴィンにとって、『ライド・アロング~相棒見習い~』(2014年)はこうした“新たな次元”への転換点だった。批評家の評価こそ高くなかったものの、ケヴィンが演じた気弱男子らしい自虐的なキャラクターは本当に魅力的だった。これは彼が意図的に取った手段でもある。
「自分のことを深刻に考え過ぎちゃいけない。僕は人にからかわれても構わないし、まず自分からネタにするのも嫌じゃない。言葉で伝えているのは、僕はあまり気にしない男だということ。穏健な人間であることを示す、僕なりの方法だよ」