ANDERSON & SHEPPARD

最高峰のビスポークの真価

April 2020

text yoshimi hasegawa photography james holborow

 ローランド氏はクラフツマンシップの保護とサヴィル・ロウ・ビスポーク全体のプロモーションも推進している。

 同時に、サヴィル・ロウに次々と参入する新ブランドの手法、サヴィル・ロウにストアがあるという理由だけでサヴィル・ロウ・ビスポークと称し、インド製の安価なスーツを売るといった安易な商法に警鐘をならす。

「サヴィル・ロウのビスポークの伝統は、この地で培われた歴史と職人技を用いたスーツの品質によって継承されるべきで、いたずらにその名をブランディングに使用されるべきではない」とローランド氏は語る。

 ダニエル・クレイグがゴールデン・グローブ賞でディナースーツを着用したように、現在も世界中のセレブリティや富裕層を顧客に持つアンダーソン&シェパード。同店が最高峰のステータスを保っているその理由、それは根幹となるビスポークの伝統を継承しつつも、過去の栄光に固執せず、常にアップデートしていく革新の姿勢にある。

ANDERSON & SHEPPARD BESPOKEアンダーソン&シェパード ビスポーク
32 Old Burlington Street,London W1S 3AT
TEL.+44 020 7734 1420

ANDERSON & SHEPPARD HABERDASHERYアンダーソン&シェパード ハバダッシャリー
17 Clifford Street,London W1S 3RQ
TEL.+44 020 7287 7300
www.anderson-sheppard.co.uk

THE RAKE JAPAN EDITION ISSUE 32
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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

本邦初公開! 新しくなった聖地 サヴィル・ロウ再起動

ハケット氏の新しいサヴィル・ロウ

サヴィル・ロウのゲームチェンジャー

【ヘンリー・プール】伝統に勝てるものはない

コンテンポラリーなビスポーク