ANDERSON & SHEPPARD

最高峰のビスポークの真価

April 2020

text yoshimi hasegawa photography james holborow

ハバダッシャリーストアのオープンによって、新たなサヴィル・ロウ・ビスポークのブランディングに成功したバイス・チェアマンのアンダ・ローランド氏。世界から厳選された製品を揃えたメンズウェアストアは昨年初の二号店を日本橋三越本店にオープンし、話題となった。

 現在、バイス・チェアマンを務めるアンダ・ローランド氏はオーナーであった父ロランド・ローランド氏の遺志を受け継ぎ、同店のマネージメントとブランディングを行っている。彼女はこの老舗の伝統を継承しつつ、改革を進める決断をした。それが2011年にオープンしたハバダッシャリー店だ。

 ハバダッシャリー(紳士洋品店)の名が示す通り、ここではポケットスクエア、ニット、帽子、靴、トラウザーズ、シャツ、コートと、ビスポーク・スーツ以外の紳士用品を扱っている。

 中でもこの店のシグネチャーは、豊富な経験を持つビスポーク店のカッターが型紙から起こしたパターンオーダーのオリジナルトラウザーズだ。

「ビスポークの顧客がハバダッシャリーで買い物することもありますし、その逆もあります。以前より色々な方が来てくださるようになりましたね。顧客層は広がって、双方にとっていい影響となっています」とホール氏。

ビスポークストアから角を曲がったクリフォードストリートにあるハバダッシャリー店。ジャケットはビスポークストアから、それ以外はすべてハバダッシャリーのもの。左はローズ、右はネイビーと、美しい色彩使いには定評がある。

THE RAKE JAPAN EDITION ISSUE 32
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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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