May 2019

A DUET OF WARP AND WEFT

縦糸と横糸のデュエット

by tom chamberlin
photography kim lang

ボタン構成はクラシックな6つボタン2つ掛け。最も英国らしいスタイルだ。

 生地の軽さは、ヘイスト氏がコンストラクテッド仕立てとアンコン仕立てを併用するうえで、諸刃の剣となった。

「あなたは肩回りが大きいため、首回りと背中にしっかりした強度が必要です。生地が非常に軽いうえ、ピンストライプが追加効果をもたらしますから、裾は自然と格好がつきます。肩を適切に仕立てることができれば、スーツはきちんと仕上がります」と言った。

 完成品は実に見事だった。12.7 c mのラペルは英国的に見えるこのスーツに、いくぶんヨーロッパ的な雰囲気を添えている。トラウザーズを仕立てる職人も凄腕で、見栄えのする、これまでに見た中で最高のプリーツだ。生地が軽量なため、トラウザーズの裾が重くなりすぎないよう、折り返しは付けないことにした。だが、折り返しを付けることにしたウェイ・コー、ニック・フォルクス両氏が実にキマっているため、この判断は好み次第ということだ。

 THE RAKE の創始者、ウェイ・コーは、ハリウッド随一の洒落者、ダグラス・フェアバンクス・ジュニアを彷彿とさせるスーツを希望した。14.6cmという大ぶりなラペルを備えた、4つボタン1つ掛けのジャケットだ。スーツを仕立てたのはジョン・ケント氏。ケント氏は伝統を重んじるテーラーで、マッチ棒のように細いラペルや、丈の短いジャケットといったスタイルを嘆いている。

ニック・フォルクス氏の折り返しカフス。彼はどんな服にもターンナップ・カフを付ける。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 26
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