April 2019

WILL&TESTAMENT

稀代の怪優ウィレム・デフォー

text tom chamberlin photography michael schwartz
fashion direction jo grzeszczuk Special thanks to The Carlyle Hotel, New York

映画スターへの道 デフォーはやがて、華々しい舞台俳優となるグレイとは異なり、映画俳優の道を歩むことになる。発端は、1982年の『ラブレス』でデフォーに初主演を任せる、キャスリン・ビグロー監督の訪問だった。

「舞台以外に興味がなかったわけではないんだけれど、当時は毎日劇場で働いていた。すると、キャスリンが僕らのやっている公演を観に来たんだ。彼女は非常に気に入ってくれて、映画への出演を依頼してくれた。僕は映画でもやりがいを感じたし、とても楽しかった。理解してくれる人を、映画業界にも見つけたから」

 デフォーはその後、相当多忙だったであろう数年間で、いくつもの役を演じた。『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984年)でのダイアン・レインとの共演や、ウィリアム・フリードキン監督の『L.A.大捜査線/狼たちの街』(1985年)への出演は有名だ。順風満帆な日々であったにも関わらず、デフォーが成功の上にあぐらをかくことは決してなかった。

「ある程度の不安は常に抱えているものだと思う。頭が半分でも回れば、不安を感じるはずだ。保証なんてないんだから」

本記事は2019年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 26

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