NICOLAS CAGE
映画狂を虜にする俳優:ニコラス・ケイジ
August 2024
photography simon emmett
fashion direction jo grzeszczuk
Produced by Flower Avenue
ウェスタンジャケット Kingsman by Mr Porter シャツ ¥75,000 Tom Ford デニム Acne by Mr Porter ウールタイ Anderson & Sheppard Haberdashery ベルト Harrods of London ブーツ ¥2,410,000 Berluti ハット property of Nicolas Cage
この話をしている時点でも、ケイジの住まいから目と鼻の先で、心を大きく揺さぶる出来事があったばかりだ。2017年の10月に起きたラスベガスの銃乱射事件である。国外では知られていないものと考えて話題を切り出すケイジに、アメリカ人らしさを感じる。
「ベガスでも恐ろしい事件が起きたばかりなんだ。あの夜、僕は仕事で不在にしていて、戻ってきたばかりだった。車を自宅のガレージに入れていた頃、すべてが起きていた。あの事件は地域社会全体を揺るがしたから、事件についての人々の発言には関心がある。世間で何が起きているかを理解するのは、さほど難しくないと思う。僕は、皆が動機を探しているんだと思うんだ。容疑者に政治的な関わりがあったのか、それとも正気でなかったのか、という風にね。結局のところ、彼はギャンブラーとして、トランプやビデオポーカーなんかで年に100万ドルを稼いでいた富豪で、さらに高いところを目指していたんだよ。全員ではないけれど、こうしたギャンブラーの中には、捕まらずに逃げおおせられるかを試すためだけに、けた違いのリスクを負って、凶悪な行為に手を染める人もいる」
経験や感情を生かして役になり切る 人生のままならないストーリーに触れることだけでなく、他者の演技を貪欲に観察することからも、ケイジはインスピレーションを得ている。その最たる例は、彼のキャリアを少しでも知っている人ならば、まっ先に口にするであろう映画だ。
本記事は2018年3月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 21