Monday, July 13th, 2020

赤峰幸生×ダグラス・コルドー

紳士はフォックス ブラザーズに辿り着く

photography jun udagawa

コルドー そういった意味では赤峰さんとの共通点はいろいろありますね。単に“伝統的な古さ”という意味ではなくて、私たちはクラシックを常にアップデートさせながら解釈しています。ただし、アップデートしていく中で、クラシックをどう捉えるべきか、本質を見失わないことを大切にしています。そういった点では必要以上に誇張したりせず、シンプルに捉えて控えめに打ち出していくという点で、私たちは非常に似ていると思います。

赤峰 服を着ることだけがアンダーステートメントになるのでなく、食も住も大切ですし、何より立ち居振る舞いがエレガントでなければいけません。でも今の世の中はアンバランスさに満ちている。そこをもっと正していくべきだと私は思うんです。ひとつの道をまっすぐに歩み続けていくことの大切さを忘れてはいけませんし、その役割をフォックスブラザーズは担っていると私は思います。ちなみに日本人の着ているものをダグラスさんの視線で見たとき、我々に何かアドバイスはありますか?

コルドー 私はさまざまな会社の方たちと仕事をさせてもらっていますが、日本人は本当に本当にプロフェッショナルで、尊敬に値する人たちが多いです。福田洋平さんの靴のこだわりにしても、テーラードのエレガンスにしても、特に東京にいる人たちの服装には大変刺激を受けます。むしろ私がコレクションを組む際の参考にさせてもらっているくらいです。

赤峰 今の20代、30代の間で、リアルなジェントルマンスタイルに興味をもっている人が増えています。そしてそれは中国や韓国にも波及していて、アジアの若者の間では、本国イギリスやイタリア以上にクラシックをしっかり着ようとしている人が増えています。そしてそれは、シンガポールやタイなど、東南アジアにも波及しています。

コルドー ビスポークやメイドトゥメジャーは日本だけでなくアジア全域で広がってきていますよね。多くのテーラーがアジアでトランクショーを開催していますし、スタイルセッターとしてはブリオベイジンのジョージ・ワン氏やアーモリーのマーク・チョー氏、アレン・シー氏などが先頭となって、シーンを牽引しています。彼らのフランネルスーツのエレガントな装いは、アジアのマーケットにおけるフォックスのフランネルの存在感を大いに高めてくれています。

赤峰 イタリアでも似たようなフィニッシュのフランネルがありますが、コシに欠けていて、私の中では何か物足りません。フォックスブラザーズのはコシがありながら硬すぎず、フニャッともしていない。アルデンテじゃないですけど、芯がある程度ありながらも反発力があるという、そこがフォックスブラザーズの凄いところだと思います。今日のスーツは25年も着ているので毛が抜けて白が立ってしまっていますが、それがいい味になっている。そしてこれと同じ生地を今も作り続けているところが素晴らしいですよね。同じ服を着ていても、今日のようにネクタイで今の気分を出せばいい。フォックスブラザーズのフランネルはそういう生地なんです。

本記事は2019年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 26

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