Exclusive Interview
JON HAMM
HAS SOMETHING ON HIS MIND

俳優:ジョン・ハム
遅咲きが貫く信条

June 2020

text tom chamberlin
photography nino munoz
fashion direction grace gilfeather
styling veronica perez

恵まれたコメディの才能『マッドメン』以降、ハムの役者人生で際立っているのがコミカルな演技だ。長期にわたるドン・ドレイパーからの方針転換に感じる人もいたかもしれないが、コメディこそがハムの芸術的原点である。幼い頃からコメディが大好きだった彼がLAに移住して最初にしたことは、コメディショーに慣れ親しむことだった。

「Largoという店があって、当時のコメディ界で傑出したスポットだった。そこで素晴らしいコメディアンたちのショーを観た。最高だったよ。友達にもよくその話をした。実に心地いいコミュニティだった」

 彼が2008年に初めて生放送バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のホストを務めたことは、世間をあっと驚かせた。ハムのコメディアンとしての可能性がたちまち知れ渡り、ポマードをつけて粋なスーツに身を纏ったロマンチックな役しかできないというイメージは崩れた。

 映画監督のポール・フェイグは、その後間もなく『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011年)に彼をキャスティングした。ポールとハムが出会ったのは、ポールが『マッドメン』のエピソードのひとつを監督したときだ。ポールはこう話す。

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 33

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