Wednesday, May 13th, 2020

手仕事モノ図鑑02

ANTICA CAMICERIA LOMBARDI
シャツジャケット

“神は細部に宿る”という言葉のごとく、磨き抜かれた職人技は
ほんのわずかなディテールにも結晶のごとく集約されている。
そんな手仕事名品たちの“見どころ”を解説しよう。
text hiromitsu kosone photography jun udagawa styling akihiro shikata

ナポリ度120%な
絶品マニカカミーチャ

issue10

Craftsmanship Point肩パッドやたれ綿を用いず、袖を肩に入れ込むようにして取り付けるマニカカミーチャ。柔らかでリラックスした雰囲気を演出できる一方、雑な仕事のものはラフすぎる印象に見えてしまうこともあるが、ロンバルディのそれは非常に美しい。もちろん着心地も驚くほど軽やかで、非常に肩を動かしやすいのも魅力的なポイントだ。

 1860年に創業し、ナポリ最古のカミチェリアといわれるアンティカカミチェリア ロンバルディ。昨年より亡き父の跡を継いだシモーネ・ロンバルディのもと、12名の職人たちがその腕をふるっているが、主軸であるドレスシャツ以外に注目したいのがこのシャツジャケットだ。

より軽くリラックスした着心地を求めて、昨今シャツブランドが作るジャケットが注目を集めているが、そのほとんどはマシンメイド。しかしこちらは、随所に手縫いを取り入れた逸品だ。
 
 ハイライトはやはり袖付け。ふんわりとギャザーを入れたマニカカミーチャには、これぞナポリの手仕事という趣が濃厚に漂っている。もともとジャケットのように立体的な仕立てを得意とすることに加え、実は以前より実験的にビスポークのシャツジャケットを手がけてきた歴史もあるため、その完成度も素晴らしい。

 これぞリラックスジャケットの究極形といえるだろう。

issue10

軽やかな肌触りがクセになる春夏用のコットンカシミアで仕立てた一着。ほんのり起毛感があり、まだ寒さが残る今の時期に着るのにもぴったりだ。ショルダーラインやラペルステッチなど随所にハンドステッチが用いられ、サルトリアルなムードが漂う。シャツジャケットらしく副資材のほとんどが省かれているのも特徴。¥260,000 Antica Camiceria Lombardi / Nihombashi Mitsukoshi

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 33

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

THE WARMTHCRAFTS-MANUFACTURE コードバン鞄

100 HANDS 「ゴールドライン」シャツ

JOHN LOBB ビスポーク乗馬ブーツ

FERRUCCIO SERAFINI バッグ

KENJI KAGA エンブロイダリータイ

CICCIO ビスポークスーツ