HOTELS DELUXE Vol.20
ホテル連載 第20回:バーでボトルキープ
January 2023
グラスでは頼めないウイスキーが飲めたり、市場には出回っていない希少な一本に出合えたり……ボトルキープだからこそ楽しめることは意外と多い。今回は都内に絞って、ボトルキープして通いたいホテルのバーをピックアップした。
text YUKINA TOKIDA
<ANAインターコンチネンタルホテル東京>
保管期間が長く、手頃な価格帯も充実。ホテルオリジナルウイスキーは米焼酎の余韻が残る、深い味わいの一本だ。
カバーチャージ:なし(キープボトルの有無にかかわらず)/ボトル:¥31,075〜(初めてボトルを入れる場合は初回登録料として別途¥2,310)/保管期間:最終来店日から1年間/ボトルラインナップ:約200種類
メインバー「ダビンチ」は、室内での禁煙化が進む日本のなかでもシガーやタバコを嗜める、愛煙家にとって非常にありがたい一軒だ。手頃な金額のボトルから揃っているだけでなく、至高のコニャック「ルイ13世」を楽しむための個室も備わっており、普段使いから特別な日まで対応する男の隠れ家といったところだろうか。
まずボトルキープすべきは、「嘉之助プライベートウイスキー」だろう。100年以上にわたり焼酎造りをしてきた小正醸造を母体とする嘉之助蒸留所が手がけているもので、「ダビンチ」が樽のオーナーとなり、数量限定のオリジナルラベルで販売されている。一般的なウイスキー樽よりも厚みが2倍近くある米焼酎の樽で熟成した、力強い味わいのシングルモルトだ。
ホテルオリジナルの一本「嘉之助プライベートウイスキー」¥62,150
お問い合わせ
TEL. 03-3505-1185
<コンラッド東京>
東京湾の静けさが感じられる夜景にゆっくりと流れる時間。一日の疲れを癒やしに訪れるならこんなバーがいい。
およそ8メートルの天井高いっぱいに広がる窓、頭上には星が覗く天窓も。カバーチャージ:なし(割り物代として別途1名¥1,000)/ボトル:¥50,000〜/保管期間:購入日から半年間/ボトルラインナップ:約70種類/おすすめボトル:「竹鶴21年」¥201,000、「ブラントンゴールド」¥84,200、「グレンモーレンジィ18年」¥72,200
窓の外が漆黒に包まれる頃、レインボーブリッジやビルの煌めきがパノラミックに広がり、温かな照明がシックで落ち着いた空間をやさしく包み込む。コンラッド東京のバー&ラウンジ「トゥエンティエイト」に身を置いているだけで、肩の力が抜けていくのを感じるだろう。特に金曜と土曜のバータイムにはライブミュージッグ(チャージなし)を聴きに、ボトルキープをして毎週訪れたい。
ウイスキー通が歓喜するであろう「竹鶴21年」だけでなく、「ブラントンゴールド」や「グレンモーレンジィ18年」といった数々の受賞歴がある銘柄まで揃っているのも嬉しい。ヒルトングループでの社内コンクールで優勝歴のあるバーテンダーのおすすめを試してボトルキープするのもいいだろう。
お問い合わせ
TEL. 03-6388-8745
<ザ・リッツ・カールトン東京>
バーで唯一、グラスでは頼めない貴重な銘酒をボトルキープして、自分のペースでゆっくりと味わいたい。
カウンター席は目の前に東京の摩天楼が広がる8席だけの特等席。カバーチャージ:4名まで無料/ボトル:¥83,000〜/保管期間:購入日から半年間/ボトルラインナップ:約20種類
ホテルの45階に位置する「ザ・バー」は、入口のドアなどもない開放感溢れるオープンなスペースだ。目の前に広がる夜景やきらきらと輝く水上ステージが、よりドラマチックなひとときを演出してくれるだろう。
約20種類という厳選されたボトルラインナップのなかでも、唯一グラスでは頼めないのが「ザ・ラスト・ドロップ」。40種類のグレーンウイスキーとモルトウイスキーを50年間も長期熟成させた限定シリーズで、ナンバリングされたボトルだけでなく、ミニボトルやブックレットもセットになっている非常に希少価値の高いものだ。メニューにないものも、要望によってはボトルキープできることもあるため、気軽に相談するのがおすすめ。
「ザ・ラスト・ドロップ」(1968年、1969年、1970年)各¥1,531,000
お問い合わせ
TEL. 03-6434-8711
<マンダリン オリエンタル 東京>
正午から営業しているため、アペリティフにもおすすめ。ここでしか出合えない日本に8本だけの超希少なボトルも。
キープしたボトルは38階のラウンジでも楽しめる。ボトルセットチャージ:1名¥1,265/ボトル:¥43,010〜/保管期間:最終来店日から半年間/ボトルラインナップ:約50 〜60種類/おすすめボトル:「リンクウッド 1946 ケルティック デキャンタ」¥3,036,000、「グレンモーレンジィ プライド 1978」¥1,581,250、「ホテルオリジナルウイスキー」¥75,900
「マンダリンバー」のボトルラインナップには、ウイスキーに造詣が深いヘッドバーテンダー小田健吾氏の審美眼が光る。例えば「グレンモーレンジィ プライド 1978」は19年間バーボン樽で熟成させたあとに、ボルドーグランクリュの樽で15年間追加熟成したもの。世界に流通する700本のうち、日本へ入荷された全8本がここにある。また、「リンクウッド 1946 ケルティック デキャンタ」は全世界に6本だけの貴重な一本だ。
そしてなによりも特別なのは、サン・テミリオン地区の第一特別級Aシャトーのワイン樽で後熟させた、「イチローズモルト」による数量限定のホテルオリジナルウイスキーだろう。世界5大産地の原酒をブレンドした、ここだけでしか味わえないリッチな一本である。
お問い合わせ
TEL. 0120-806-823
<本連載の記事は以下より>