UNPEELING THE BIG APPLE

N.Y.流スタイルとは何か?

February 2019

text yoshimi hasegawa photography rose callahan

上海を引っ越す記念に自分に贈ったカシミアローブは香港のW.W. チャン製。W.W. チャンでは長年スーツを作っている。ラルフ ローレンのデニムシャツに3×1のカスタムしたホワイトデニム。時計はロレックス デイトナのセラミックベゼル。

「毎日、身支度をするとき、気に入りの店にショッピングに行くような気分になる」というのも無理はない。

 ワードローブはネイビーとグレイのベーシックなカラーのスーツが大半を占めていて、実にストイックだ。これとは逆に靴はアメリカやイタリアのテイストを窺わせるエレガントなブラウンが多い。

 この日着用してくれたのは例外的なリヴェラーノ&リヴェラーノのスーツ。ダダ氏がプライベートで遊びに行くときの装いだという。アントニオ・リヴェラーノ氏が選んでくれたヴィンテージのソラーロを使用している。ダダ氏はアーモリーも上海に居住していた頃からの顧客であり、マーク・チョー氏のセレクションにも全幅の信頼を置いている。

「私にとってニューヨークのスタイルといえばスーツですね。仕事にせよ、遊びにせよ、仕立てのいいスーツはとても快適で私にとって心地いいのです。ワードローブの大半はネイビー、グレイですが、私の仕事は大企業を相手にした交渉事や会議が多いので、スーパークレイジーなピンクのシャツに、派手なストライプのダブルブレステッドスーツを着るのは論外です(笑)。私がスーツを着るのは、私自身がクオリティを重視しているからでしょう。実際、私が働いている業界の人間はビスポークの価値や、ましてやリヴェラーノのスーツが何かなど知りません。良いスーツを着るのはすべて自分自身のため。私はそのものの価値、それが何であるのかを知っているからです」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 25
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