UNPEELING THE BIG APPLE

N.Y.流スタイルとは何か?

February 2019

text yoshimi hasegawa photography rose callahan

ショップマネージャーのジム・パーカー氏。彼とマーク・チョー氏(次ページ)が着用しているのがともにモデル99だ。パーカー氏はグレイフランネルのトラウザーズを合わせたブレザースタイル。シャツはナポリ製のアーモリーオリジナル、タイとチーフはドレイクス。従来のアメリカンスタイルに比べ、モデル99 はウエストのシェイプ感などディテールはモダンな印象だ。

「このモデルはセオドア〝テディー〟ルーズベルト元大統領の格言『棍棒を手に、穏やかに話せ』がテーマになっています。つまり、最初の印象では控え目でわからないかもしれませんが、細部にアメリカンスタイルならではの美しく、力強いディテールが施されているのです。ナチュラルショルダーでリラックスした雰囲気を持ちながら、肩にはシャープさを出すために薄いパッドがあります。胸のキャンバスはイングリッシュドレープほどハードではないが、ナポリタンほどソフトでもない。自然な空気感があるのです。どの時代のスーツというよりは、これは精神的なもの、派手に目立つことなく、誰もが安心して着用できる、新しいアメリカンスタイルへのアプローチなのです」

 ニューヨーク店の顧客のひとりもアーモリーとモデル99を絶賛する。

「モデル99はアーモリーだからこそ作ることのできた新鮮なアメリカンスタイル。ニューヨークにはこれまでこのような店は存在していなかった。今まで誰も知ることのなかったクラフツマンに出会えるのは素晴らしいことです。ミスター・ヤマモトは普段会ったら一緒に飲みに行きたくなるようなクールガイ。優れた職人である彼らにスーツを作ってもらうのは楽しい体験です。今までマークはニューヨーカーが知らなかった、世界のクラフツマンシップへの扉を開いたのです」

 No.1サックスーツから100年後の今、グローバルな視点から生まれたメイド・イン・ジャパンに注目が集まっている。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 25
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