UNPEELING THE BIG APPLE
N.Y.流スタイルとは何か?
February 2019
山本氏が着用しているのは段返りの3つボタン、ナチュラルショルダーを持つクラシックな美しさを追求したアメリカンスタイル。対して、顧客がフィッティング中のモデル99は現代的な要素を取り入れている。
山本氏は1920年代から続いているアメリカの男たちのスタイル、特にニューヨークの男たちによって作られた60年代マディソンスタイルのクラシックな美しさを理想とし、自身の手がけるビスポークスーツに反映させている。
もともとアメリカンスタイル=既製服という概念のあるアメリカで、日本人が昇華させたアメリカンスタイルのビスポークスーツは、ニューヨークの顧客に衝撃を与えた。
また同時に、ニューヨークのトランクショーで会う顧客から、山本氏も大きなインスピレーションを受け取ったことが、このモデルを誕生させるきっかけとなったと語っている。
「ニューヨークには昔からクラシックな男たちの着こなしが息づいている。こうしたアメリカの男たちのグラマラスさ、彼らの習慣やマナー、ライフスタイルに基づいた着こなしがあります。そこにはNo.1サックスーツだけじゃない、アイビースタイルとか、ひとつの形にとらわれない普遍的なクラシック、トレンドとかファッションだけではないものがある。彼らのリアルなライフスタイルに根ざしたスーツをアーモリーを通して作りたいと思ったのです。今回こうしてスーツの本場ニューヨークで、新しい時代のスーツを展開できるのはとても光栄ですね」
一方で、山本氏とともにこのモデルを2年かけて企画、開発したアーモリーのマーク・チョー氏はモデル99に対して、時代にとらわれない、新たな発想から生まれたアメリカンスタイルだと語る。