Sunday, August 30th, 2020

THE EXCELLENCE OF FABRIC

生地から楽しむ仕立て服

ハーディー・ミニスで注目したいのは
ルビナッチ別注による“ウーステッド アルスポートⅡ”と“フランネル”
マリアーノ・ルビナッチ氏ほどクラシックの本質を知り尽くした人間をTHE RAKEは知らない。
意味もなく別注などしないマリアーノ氏自らが惚れ込んで作ったふたつの生地がこちら。

HARDY MINNIS “Worsted Alsport Ⅱ” “Flannel”
EXCLUSIVELY for RUBINACCI NAPLES
上:低番手の38番双糸を使用した“ウーステッド アルスポートⅡ”の生地は通常370g/mだが、ルビナッチ別注のそれはより打ち込みを強くして織り上げているため、390g/m。ウェイトが若干重くなっている。スーツで仕立ててもより強靭な梳毛ツイードに仕上がっているのだ。それにしても絶妙なグリーンのヘリンボーンが、かなりいい感じである。下:“フランネル”の梳毛フランネルは52番双糸を織り上げたもので、380g/m。言い換えればミルドウーステッドになるわけだが、そのくすんだ色彩も絶妙だ。こちらもスーツで仕立てても、膝がより抜けにくいのがいい。マリアーノ氏が選ぶ生地はどれも非常にバランスがいい。

 ルビナッチのナポリの本店の最奥部に積まれた生地ストックは圧巻で、それらはすべてマリアーノ・ルビナッチ氏自らが集めたものだ。デッドストックの生地もあれば、別注したエクスクルーシブ生地もあって、クラシックを愛する人にとってはまさにパラダイスである。マリアーノ・ルビナッチ氏が選んだ最高に趣味のいい生地を眺めるだけでも昇天しそうだ。

 その棚の中に置かれている氏のお気に入り生地の筆頭にあげられるのが、耳にルビナッチの名が入ったハーディー・ミニスの“アルスポートⅡ”と“フランネル”。マリアーノ氏の父で1932年にロンドンハウス(現ルビナッチ)を創業した初代ジェンナーロ・ルビナッチ氏は大のハーディー・ミニス贔屓で、当時の台帳には錚々たる顧客の名とともにミニスの生地がたくさん貼られている。それをもとにマリアーノ氏がハダースフィールドまで赴いて別注したのが、それである。本来紡毛の生地を梳毛で表現した両生地は、マリアーノ氏にとっても特別なものなのである。さらに氏が惚れ込んだタッチ&色柄であるのだから、圧倒的な説得力がある。

マリアーノ・ルビナッチ氏
自らが別注している注目生地!
上の写真でマリアーノ・ルビナッチ氏の傍らにあるのが1932年にロンドンハウスが創業して間もない頃の台帳。ここにはハーディー・ミニスの生地がたくさん貼られており、思い入れがあるので、自らが英国のハダースフィールドに足を運んで生地を選んでスペシャルなファブリックを作ってもらったという。マリアーノ氏ならではの独特の色彩がなんともいえず美しい。

本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 35

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