THE EXCELLENCE OF FABRIC
生地から楽しむ仕立て服
August 2020
HARDY MINNIS
“Worsted Alsport Ⅱ”
“FLANNEL”
ツイードとフランネルを梳毛で表現した
ハーディー・ミニスツイードもフランネルも本来は紡毛糸で織られた生地であるが、
ハーディー・ミニスのそれは、梳毛で織られており、タッチも実に個性的だ。
トレンドの話になると、よく「英国調」という言葉を耳にするが、“調”というのは便利な言葉であるいっぽう、どうも中途半端な響きに聞こえる。それはイタリアの生地が使われた既製服での話だからそういう言葉になるのであって、オーダーで生地を選べるなら“英国調”より“英国生地”というのがTHE RAKE の見解だ。
英国のハダースフィールド ファインウーステッド社の一翼を担い、英国王室からロイヤルワラントを授かっている名門マーチャント、ハーディー・ミニスは、やはり強くオススメできる。特に、一般的な紡毛ではなく梳毛を使用したツイード“ウーステッド アルスポートⅡ”は、ツイードであっても梳毛ゆえ膝が抜けにくく、スーツとしても仕立てられる。そして今回、新たにもうひとつ紹介したいのが、“フランネル”。こちらも一般的な紡毛ではなく梳毛糸で織られており、芯の中にも柔らかさも備え、ツウの心を妙にそそる生地コレクションとなっている。
“ウーステッド アルスポートⅡ”は英国然とした色柄が大充実“ウーステッド アルスポートⅡ”は梳毛ツイードゆえスーツで仕立てると面白く、スーツにしっくりくる色柄も揃えているが、中にはこんな英国カントリー感満載の生地も。これはさすがにハードル高めだが、眺めるぶんには相当楽しい。
本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 35