July 2020

Exclusive Interview: CHRISTOPH WALTZ
LORD OF THE DANCE

悪役の天才:俳優クリストフ・ヴァルツ

text nick scott photography brian bowen smith fashion direction grace gilfeather

『ビッグ・アイズ』(2014年)でエイミー・アダムスと。

「なぜなら、同じルールに従っているからです。自分の意見を持たずに政治を敬遠するなんてことがあってはならないのです。ベストな状態になるための時間をつかむために、人々は団結することができるはずですが、今は完全に正反対。『できるときにつかみ取ればいい。結果なんてどうでもいい』というふうに。考えるたびに本当にゾッとします」

社会に目を向け語りかける映画 ヴァルツがかつて『007 スペクター』公開時に、こう言っていたことを思い出した。「ブロフェルド役の魅力のひとつは、この作品が*スノーデン事件後の世界におけるインターネットを介したデータ収集という、ツァイトガイスト(時代精神)的なテーマを取り上げている点にあります。これまでのボンド映画と同様、現実に直結する社会問題を取り上げた作品です」。

 実在する英国のシークレットサービスと同じような“情報漏洩”の制御や秘密主義文化を扱う同シリーズの新作について、彼は何を語るのだろうか? わずかな期待を込めて訊いた。

「面白い質問ですね。ボンドシリーズは過去50年以上にわたって常に、その時代のツァイトガイストを扱ってきた映画です。もう25作目になりますが、50年を経てもなお注目されています。社会に目を向け、人々に語りかけてきた映画、世代を超えて愛されてきた映画です」

*スノーデン事件 = 2013年に元CIA職員のエドワード・スノーデンが、アメリカ政府による一般国民への大量監視システムを身を挺して暴露した事件。

本記事は2020年5月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 34

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