July 2020

Exclusive Interview: CHRISTOPH WALTZ
LORD OF THE DANCE

悪役の天才:俳優クリストフ・ヴァルツ

 小説では脇役でしかなかったブロフェルドだったが、映画では脚色が加えられている。初期の作品では、猫をなでるブロフェルドの手がクローズアップされるだけであった。しかし徐々に存在感のある悪役として描かれるようになり、ドナルド・プレザンス、テリー・サバラス、マックス・フォン・シドーなど、これまで7人の俳優が演じてきた。『007 スペクター』(2015年)では、左ページに写っている人当たりの良さそうな身長5フィート6インチ(約168cm)のオーストリア紳士が、悪意を内に秘めた役を見事に演じている。ラストでヘリコプター事故に遭遇しながらも生き延びたブロフェルドは、ボンドシリーズ25作目となる次回作、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2020年11月20日公開予定)でも再び登場するらしい。顔に傷を負った囚人のブロフェルドは、『007 は二度死ぬ』(1967年)でプレザンスが演じたブロフェルドはもちろん、『007 ゴールデンアイ』(1995年)のアレック・トレヴェルヤン、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)のル・シッフルといった悪役たちとも肩を並べるほどの、醜く卑劣な悪役として描かれる。

 話を元に戻そう。ブロフェルドは映画の中でどんな役割を担っているのか?

「私には理解できませんが、彼にとっては楽しいゲームをしているような感覚でしょうか。パワーゲームは他者を感化したり指示を与えたりすることもあります。ただしその成果は、影響を行使する者の意識や知性、教育や生活レベルに大きく左右されることになります」

 そう言うとヴァルツは、せきを切ったようにこう話し始めた。

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THE RAKE JAPAN EDITION issue 34
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