Thursday, June 27th, 2019

A super sad true love story

悲劇の写真家、ボブ・カルロス・クラーク

text stephen wood
issue10

『Love Doll (ラブドール)』(2004年)
© THE ESTATE OF BOB CARLOS CLARKE / THE LITTLE BLACK GALLERY

 8歳になると、ダブリンのプレップスクール(進学目的の私立小学校)へ入れられた。13歳になると、軍の伝統を受け継ぐ名門、ウェリントン校に、彼曰く「強制収容」されることになった。家から放り出され、束縛だらけの教育を受けさせられた経験は、一生のトラウマとなった。「10年間ほとんど女性に遭遇しないという状況に追いやられたことで、身を焼くような女性への渇望感に苛まれた」と後に彼は綴った。

「魅力的な女性を目にするというのは、UFOを目撃するようなものだった。女性というものは、それほどまでに珍しくて縁遠く、強烈に刺激的な存在だった……」

 学校を卒業し、晴れてわが道を行くときがやってくると、自分の将来は「無名か悪名かの、ふたつにひとつであり、前者はあり得ない」と宣言した。

 ダブリンの広告代理店でお茶くみ要員として働き、ジャーナリストとしての素養を積んだ彼は、その後、北アイルランド紛争やベルファストのフォールズロードで起きた争乱の報道に携わった。このときに「カメラは“万能の口実”であることを学んだ」と記している。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 15
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