June 2019
A super sad true love story
悲劇の写真家、ボブ・カルロス・クラーク
新たな視点で切り取った。それにより彼は悪名を馳せ、一世を風靡した。
そして自ら命を絶つことで、苦悩と栄光に満ちた人生を、伝説へと変えた。

『Incendiary Blonde(扇情的なブロンド)』(1985年)
© THE ESTATE OF BOB CARLOS CLARKE / THE LITTLE BLACK GALLERY
「ハリケーンに襲われたり、大惨事に見舞われると、われわれは過ぎ去った日々や、愛する人々の画像にすがり付く。それがまるで、本物であるかのように」
「写真とは、われわれが実在し、かつては丈夫で若々しく、時には美しかったことを示す、唯一の物的証拠だ」
こうした言葉は、ボブ・カルロス・クラークの自著『Shooting Sex(セックスの撮影)』に登場する。その出版から4年後の2006年に、彼は自ら死を選んだ。
著名な写真家であった彼は、暗室では甘い夢を次々と紡ぎ出したが、その夢を現実のものにすることはなかった。