Monday, June 24th, 2019

ADVANCE AUSTRALIAN FLAIR
オーストラリアからやってきた才能

映画『華麗なるギャッツビー』、『ブラック・スキャンダル』などへの出演を経て、
注目を集めているオーストラリア出身の俳優、ジョエル・エドガートン。
主役を演じることについては未だに慎重になると語るが、
これだけ演技力が高く評価されている彼にはそろそろ覚悟が必要かもしれない。
text tom chamberlin photography gavin bond fashion direction jo grzeszczuk

PHOTOGRAPHERS ASSISTANTS: PAUL RAE AND JOHN BAIN GRIFFITH
STYLING AND PRODUCTION ASSISTANT: VERONICA PEREZ
GROOMING: LUCY HALPERIN
SPECIAL THANKS TO THE 1896 STUDIOS AND STAGES

 ハリウッドで確固たる地位を築きつつあるジョエル・エドガートンの生活は多忙を極めている。インタビューを行ったのは、彼が最新作『ラビング 愛という名前のふたり』のプロモーションの合間にプライベートでちょうどニューヨークを訪れていたときのことだった。
 プレス取材を立て続けに受けているセレブリティにインタビューするとき、頭を悩ませるのが話題探しだ。既に長々と語られた内容は避けたい。しかしそうなると、機械的なアンケートだとか、単なる頭の鈍いジャーナリストの楽しみだと思われてしまうかもしれない。ところが彼は本当に人当たりが良く、興味がある話題に関して喜んでインタビューに応じてくれた。オーストラリア人は人懐っこい性格だと聞いたことがある人もいるだろうが、この人ほどそう実感させてくれる人間はいない。

典型的なオーストラリアの少年
 ジョエル・エドガートンは、現在活躍する俳優の中で最も魅惑的でダイナミックなひとりといわれるまでになったが、成功への道のりはさほど特別なものではなかった。多くの俳優と同様に、小さなテレビ番組の端役から始まり、ロサンゼルス中の看板を飾る存在へと上り詰めていった。しかし、彼と5分も会話をすれば、非凡さが明らかとなる。
 生まれは、シドニー西部のブラックタウン。ヘムズワース兄弟、ヒュー・ジャックマン、ガイ・ピアース、ケイト・ブランシェット、マーゴット・ロビーら、ハリウッドで活躍するオーストラリア出身の役者は増えているが、オーストラリア文化の土台となっているのは、スポーツやアウトドアレジャーだ。演劇は、多くの子供たちが放課後に取り組むようなものではない。男子の場合は特にそうだ。エドガートンも例外ではなかった。
「子供の頃のヒーローといえば、スポーツ選手だった。実際、今まで出会った有名人の中で一番興奮したのは、セルゲイ・ブブカとボリス・ベッカーだね」
 だが同時に演劇や芝居についても関心を持つようになる。彼が語るその理由は、率直でいじらしいものだった。
「スポーツと演劇は注目を集めるための手段だった。両親の気を引くためのね」
 この言葉に深い意味があるかどうかは別として、エドガートンの家族は紛れもなくクリエイティブな一家である。兄のナッシュは監督兼スタントマンで、ジョエルとともにブルー・タン・フィルムズの一員としても知られている。
 彼は、自分の人生にとって芝居の影響力が大きくなっていった理由をいくつか挙げた。
「学校では問題も起こさず、ただ演劇とスポーツに興味を持っていた。でも偉大なスポーツ選手になるのは無理だと悟った。やがてさまざまな出来事が重なり、俳優になりたいと思うようになったんだ。ひとつは、素晴らしい演劇の先生の影響で、課外授業として演劇に取り組むようになったこと。あとはシドニーのオペラハウスに演劇を観に行ったことも大きい。『学校できちんと演劇を学べば、僕もこうなれる』と思えたから、美術学校ではなく演劇学校へ進学することを決めた。そうやって演劇や映画をさらに深いレベルで好きになっていったんだ。同じ志を持つ人たちといることで、さらに奥深い経験を得られたよ」

Joel Edgertonジョエル・エドガートン
1974年、オーストラリア生まれ。シドニーの演劇学校を卒業後、兄らと映画制作会社を設立。俳優として着実にキャリアを重ね、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『華麗なるギャツビー』に出演。『ザ・ギフト』で長編映画監督デビュー。最新作は『ラビング 愛という名前のふたり』。

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THE RAKE JAPAN EDITION issue 15
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