UNPEELING THE BIG APPLE

N.Y.流スタイルとは何か?

February 2019

text yoshimi hasegawa photography rose callahan

A&S製3ピーススーツにバーグ&バーグのニットタイ、チェックのマロルのシャツ、エドワード グリーンのドーバーで抜け感のある着こなしに。スーツに使用したVBCの360gのフランネルは英国的マットな質感、イタリア製ならではのカシミアタッチの柔らかさがコンフォートを生んでいる。

 ボイヤー氏が選んだアメリカンスタイルはリヴェラーノ&リヴェラーノのブレザー、ドレイクスのサファリジャケット、アンダーソン&シェパード(A&S)の3ピーススーツ、その内容はイタリア、アメリカ、英国のミックススタイルだった。

「ブレザーはウェルドレッサーになりたいと思う者なら、すべての者がワードローブにまず揃えるべきアイテムです。グレイのトラウザーズにタイドアップやジーンズとさまざまに着こなすことができる。アメリカンスタイルとしても100年以上の歴史があります。サファリにはアメリカンスタイルが生んだスポーツクローズの思想があり、A&Sのスーツにはコンフォートがある。まるでフレッド・アステアがホワイトテイルコートをパジャマのように着こなしたリラックス感。それこそがアメリカンスタイルの真髄であり、私が愛するものです」

 さらに今回のように、さまざまなアイテムを自己流にミックスしたスタイルこそ、ニューヨークスタイルそのものだとボイヤー氏はいう。

「ニューヨークは偉大な移民の歴史によって作られてきた街です。あらゆる国の民族が集い、イタリアン、ブリティッシュ、アイビーすべてを取り入れてきた。それが現在のニューヨークスタイルとなっています。それに似たテイストを持つのがリヴェラーノ&リヴェラーノです。ナポリタンに近いナチュラルなショルダー、胸のドレープはA&Sに近いがフロントダーツはないといったように、異なるスパイスを用いながら、アントニオ・リヴェラーノ氏が創造した独自の美しいスタイルを作り上げています。このように私の考えではニューヨークスタイルはフォーマル過ぎず、客観性を持って自分を見つめ、オリジナルなスタイルを創造することです」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 25
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