Tuesday, November 24th, 2020

The Rakish ART ROOM Vol.11

貴殿も世界の名画オーナーに!
フェルナン・レジェ

明るい色彩を駆使した、モニュメンタルな人物像で知られるレジェ。
彼は常に大衆の心に届く、楽しく美しい芸術を目指していた。
text setsuko kitani cooperation mizoe art gallery

《車輪の中の蝶(習作)》 ¥10,000,000(税込価格)お問い合わせは、ザ・レイク・ジャパン info@therakejapan.com まで
植物のからまるうち捨てられた車輪の中を、2匹の蝶がひらひらと飛びまわる様子を描いた本作は、レジェがアメリカ亡命中に描いた作品。1943年夏、ニューヨーク郊外の田舎町ルース・ポイントで過ごしたレジェは、アメリカの産業が急激に発展する一方で、雑草や花が生い茂る廃農機具の多さに衝撃を受けていた。《車輪の中の蝶(習作)》1944年 30.0 × 45.5 cm、紙にグワッシュ 右下にサイン、年記 Comité Legér 証明書付属

 円筒形を多用した人物像が、カラフルな色彩の中に描かれた、陽気で力強い絵画。フェルナン・レジェの作品を一度でも観た人は、そのおおらかなフォルムと光溢れる明るい画面を忘れることはないだろう。

 独特な円筒形(チューブ)の人物像から、「チュービスム(円筒主義)」の画家といわれることのあるレジェ。フランス、ノルマンディのアルジャンタンに生まれ、幼いときに父親と死別した彼は、畜産業という家業を継ぐことなく、16歳で建築事務所に弟子入りし、その後パリで製図技師として働き始めた。しかし22歳のときにパリの装飾美術学校に入学し、本格的に絵画を学び始めるのである。

 他の多くの画家と同様、印象派やフォーヴィスムなどの様式で絵を描きながら、自らのスタイルを模索していたレジェは、やがてセザンヌに衝撃を受け、ピカソやブラックのキュビスムに傾倒する。1908年、27歳の頃、パリのモンパルナスにあった芸術家たちの共同住宅「ラ・リューシュ(蜂の巣)」にアトリエを構え、エコール・ド・パリのシャガールやスーチン、オルフィスムのドローネーなどと交流した。

 レジェが「チュービスム」と呼ばれる独自のキュビスムで絵画を描き始めるのは、この頃である。以後、彼は大胆なフォルムと明るく強い色彩を併せ持つ、独特のスタイルを獲得していった。

フェルナン・レジェ / Fernand Leger (1881-1955)ノルマンディ地方の町アルジャンタンに生まれる。パリで建築の製図技師として働いた後に、装飾美術学校に通い、絵画を学んだ。セザンヌほか、キュビスムなどの影響を受けた彼の画風は、円筒形を多用したモニュメンタルな人物像など、単純なフォルムと明快な色彩が特徴。大衆のための芸術を目指した彼は、壁画やステンドグラスなど、公共の場の装飾も数多く手がけた。©Aflo

本記事は2020年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 37

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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