RUNNING WITH SCISSORS

モードになったスウェットパンツ

July 2019

text josh sims photography ben harries fashion editor sarah ann murray

1963年ハリウッドのパラマウント・スタジオにてスティーブ・マックイーン。

 汚れが目立たず、洗えば洗うほど味が出るため、グレイ・メランジが標準的な色として用いられるようになった。

 トラックスーツは技術面を改良し、首元まで上げられるファスナーや、より大胆な色使い、速さを象徴するストライプのデザインなどが施された。

 1970年代から80年代には、ヒップホップ・カルチャーの影響で、ナイロンからベロアまで、ありとあらゆる素材を使ったスウェットパンツが生み出されたが、最終的には“何もしないときのための服”というところに落ち着き、現在に至る。

 しかし、もしもスウェットパンツが、フォーマルとカジュアルの間の境界線を、自由に移動できるようになったらどうだろう? ベルルッティのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・サルトリは、その可能性を追求している。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 08
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