PRINCE AMONG MEN
20世紀を代表するプリンス
October 2017
ファーストネームで呼び合う間柄だったら……そんな想像をしてほしい。
マルベーリャ・クラブの創業者、プリンス・アルフォンソは、まさにそういう男だった。
プリンス・アルフォンソ・フォン・ホーエンローエと妻のイーラ・フォン・フュルシュテンベルク(1950 年代頃)
「私は社交界と縁が深いし、いわゆる“ジェットセッター”だが、プライベートジェットは所有したことがない。でも、貨物機は3機持っているし、スペイン、オーストリア、メキシコのパイロット免許も持っているよ」
2001年暮れにマルベーリャ・クラブの伝説的な創業者、プリンス・アルフォンソ・フォン・ホーエンローエにインタビューしたときの記録が、先日たまたま出てきた。この言葉は黄ばんだタイプ用紙から選んだものだ。
エリザベス2世の戴冠にあたってチャーチル元首相と専用列車で16時間かけてポーツマスへ赴いたときのエピソードも捨てがたい。戴冠式では賓客として特別待遇を受けた。一族の家長が、フィリップ王配の姉と結婚していたからだ。若い頃にフレッド・ペリーとテニスの腕を磨いたという逸話も興味深い。
「私は幸運なことに、ごく若いうちに世界の一流選手とプレイする機会があった」とアルフォンソは語った。