POP ART
俳優マイケル・ヌーリー、アンダーソン&シェパードを試す
December 2019
photography luke carby & kim lang
作業台を準備するトラウザーズ担当カッターのジョン・マローン氏。
イタリアにサヴィル・ロウがあったなら、名テーラーのガエターノ・アロイジオ氏が頂点に立つことだろう。ローマにある彼のアトリエは、ビスポークウェアの優雅さに溢れた聖地だ。おまけに彼は面白い! こうしたテーラーたちが導いてくれたおかげで、私は自分の好みを明確化し、要望をはっきり言葉にできるようになったのだ。
アンダーソン&シェパードを経験 そんな世界最高の職人たちを知ったことは、私の記憶のアルバムにしっかりと収まっている。ここで頭に浮かぶのが、この道のりにおいて最近体験した画期的な瞬間である。ビスポーク・テーラーリング界の筋金入りのテーラー、もはや伝説的存在のひとつに数えられるアンダーソン&シェパードでスーツを仕立ててもらったのだ。
THE RAKE のウェイ・コー氏とトム・チェンバリン氏のおかげで、私は親切で素敵な取締役、アンダ・ローランド氏と仕事仲間の皆さんにもてなしていただいた。この場所は堅苦しさとは無縁で、伝統、刺激、楽しさに満ちている。
私たちは美しい生地の選定に取りかかり、9分の8オンスのブルーのトロピカルウール(H.レッサー製)に決めた。私がこの生地を気に入った理由は通気性だ。ロサンゼルスに住んでいる私にとって、美しい形状を保ちつつ熱を放出してくれる生地は何より魅力的なのだ。
ロンドンのオールド・バーリントン・ストリートにあるアンダーソン&シェパードのフィッティングルームにて。ジャケットとベストを担当するカッター、レス・ヘインズ氏と調整を行っているところ。必要な箇所にチョークで印を付けていく。