Thursday, March 18th, 2021

PAST IS PROLOGUE

新車で甦った、ボンドのアストンマーティン

text tom chamberlin

オリジナルに忠実に作られたコックピット。

 このクルマの運転感覚は、ほとんどのクラシックカーと同様に、非常にアナログチックだ。現代のコンピューター管理されたクルマのようなハイテク装備は使われていない。ミルトン・ケインズとバッキンガムシャー州のストーク・パークの間のカントリーロードは、のんびりとしたトロットや唸るようなギャロップでこのクルマを走らせるのにもってこいだった。

 もちろん現代のクルマと比較すると、絶対的なスピードはたいしたことはないが、速度は問題ではない。

 それは感覚的な体験なのだ。スピードを上げるときのエンジンの匂い、ノイズ、木製ステアリングと細長いギアスティックの感触、そしてもちろん、これまでに作成された最高に美しいデザイン……。税抜き240万ポンドというプライスタグを見ていなかったら、私は本気でこのクルマを買おうと思っただろう。
『ゴールドフィンガー』の中でジェームズ・ボンドがゴルフに興じた場所、ストークパークに到着するときまでに、私は間違いなくこのクルマに恋してしまっていた。

 これは、アストンマーティンの傑作だ。このブランドの未来は明るい。DBXによってSUV市場に参入を果たし、2021シーズンはF1にも参戦する。そしてこのゴールドフィンガー コンティニュエーションで、アストンマーティンはその過去も栄光に彩られていたことを証明した。アイコニックかって? それは、もちろんだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 38
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