Thursday, May 6th, 2021

鴨志田康人:大研究

世界が見る鴨志田康人のスタイル vol.4

“彼自身の発想による独自のスタイル、リラックスしたエレガンスがある”
—ラルフ・オリエンマ
direction & text yoshimi hasegawa

Ralph Auriemma / ラルフ・オリエンマ米国系の会社で米国市場向け製品の開発を担当後、ロレンツィーニ(シャツ)とインコテックス(トラウザーズ)でアメリカ市場向けのデザインと企画を9年間行う。その後、ラルフ ローレン・パープルレーベルのデザインを担当。2006年、ポール・スチュアート入社。現在、同社デザインディレクターを務める。

 1938年創業、ニューヨークのマディソンアヴェニューからアメリカンスタイルを発信し続けるポール・スチュアート。鴨志田氏は日本におけるディレクターとして、本社デザインディレクターのラルフ・オリエンマ氏と協業している。

「ポール・スチュアートは20代の頃からの憧れのブランドだったこともあり、自分が今まで手がけたものとは違う解釈で、自分なりの世界観を構築しています。しかし、アングロアメリカンというコンセプチュアルな部分は変わりません。これを日本のマーケットにどう合わせるか。芯の部分ではラルフのやり方と自分のやり方は繋がっています。彼とはずっと面識がありましたが、まさか一緒に仕事をするとは思いませんでした。彼との仕事は面白いし、一緒にできて嬉しいですね」

 ラルフ・オリエンマ氏も鴨志田氏との協業の機会を喜んでいる。

「最初に会ったときはピッティで確か7、8年前でしょう。その時すでに多くのファッション誌に掲載されていたので彼のことは知っていました。同じホテルに泊まっていて、朝食のときに見かけても挨拶することはありませんでした。ある日、彼のピッティのブースを訪れたとき、コレクションが素晴らしかったので、彼の仕事が気に入ったと伝えました。それ以来、朝食の席で挨拶するようになったのです。

 初めの印象は非常に礼儀正しい、マナーがいいグッドガイで、彼にはスタイルがある。私たちの信頼関係は一緒に働き始めてよい方向に変わりました。日本に行く時や彼がニューヨークに来る時は時間を共にしています。もっと多くの時間を過ごし、共同のプロジェクトも創りたいと考えています。

 私は彼のスタイルが好きですが、それがとても日本人らしいスタイルだと考えたことはありません。アメリカンスタイルを創る私の目から見ても、彼のスタイルは彼自身による発明であり、彼の発想による独自のスタイルです。カジュアルなエレガンスがあり、彼自身のようにリラックスしていて、常にウェルドレスです」

昨年、東京のポール・スチュアート旗艦店でのツーショット。「日本で最初にコレクションを見たとき、私への敬意を感じました。彼が長い間築いてきた業績は評価されてしかるべきものです。こうしてコレクションをともにつくることにいつも感謝しています。そして紛れもなく彼は私が認めるレイキッシュガイ(THE RAKE的な精神を持つ男性)のひとりです」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 38

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