Monday, July 6th, 2015

LA BELLE ET LABÊTE

セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの物語
フランス一純粋で、淫靡だった2人

by joycelyn shu

エルメスとレペット この黄金カップルの情事は、13年間に及んだ。2人はミュージシャンとしてトップに輝いただけでなく、ファッション・アイコンとしても、最高の存在だった。

 バーキンは愛らしいだけでなく、モデルとしても完璧な体型だったため、バレンシアガ、イヴ・サンローラン、ジバンシィといった数々のデザイナーが、自分のデザインした服を着せたがった。

 この頃のバーキンは、どこへ行くにも大きな枝編みのバスケットと一緒だった。彼女はまだ、ジャン・ルイ・デュマ=エルメスと出会っていなかったからだ。

 1981年、エルメスの社長兼アーティスティック・ディレクターであったデュマは、ロンドン行きのフライトでバーキンと巡り合い、大きな旅行用バッグをデザインすると申し出た。このバッグこそ、後にエルメスで最も人気の高いマロキネリ(革製品)となる“バーキン”である。

 一方、ゲンズブールは、常に完璧に仕立てられた服(主にピンストライプ柄)を身にまとっていた。その装いに個性を加えたのが、ぞんざいで、無造作な彼の態度と、愛用していたレペットの白いジャズシューズだった。このシューズを素足に直接履くのが、彼のスタイルだった。

 クラシックで細い外観が特徴的な、この編み上げのダンスシューズは、フランス人バレエダンサーのジジ・ジャンメールにちなんで“ジジ”と名付けられたものだった。実はゲンズブールの足はとても鋭敏だったらしく、多くの靴は耐えがたいほどの痛みを引き起こしたため、履ける靴の種類は限られていた。

 そんな彼のためにバーキンが初めて買ったジジは、バターのように柔らかいカーフスキンで作られており、まるで手袋のようにフィットした。それからというもの、ジジは彼にとって手放せない靴になった。1991年にこの世を去るまで、彼は毎年30足のジジを履きつぶしたと言われている。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 02
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